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『バード・バーダー・バーデスト(ビデオ版)』南極ゴジラ/『関係性の美学』ニコラ・ブリオー…etc.-2025年1月に読んだ本/観た映画たち5作品について-

京都の2月、寒すぎる。

暦の上ではもう立春とかいうらしいですが、全然立ち上がってないです。春。
片膝すら上げていない。立つ気あるのか。まじで。

前回の記事

前回の記事は更新が滞っていた分をまとめてあげたので、3か月で25作品紹介していました。だいたい月8作品くらいのペースだったみたい。
9月以前の数がくるっていたんだなと実感。1月は5作品でした。そのくらいでいい。

演劇『バード・バーダー・バーデスト(ビデオ版)』 劇団:南極ゴジラ

内向きな輝きを大きな舞台装置的シナリオを使って外へ剥き出していく印象が過去作からある南極ゴジラ。今作は恐竜たちの青春群像劇。クラスメイトがそれぞれが抱える10代のモヤモヤとした鬱屈や失敗、感傷を隈なく描きながら、ゴチャつかせずに壮大に締める快作だった。毎度のことながら音楽と美術の使い方でワクワクをさらに増幅させてくるのが無茶苦茶上手くて感動。彼らはカオスが無に帰すシナリオを描き続けているけれど、その中に確かにあった機微の価値を鳴らし続けてくれる。

『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』 監督:ジェフ・ファウラー

相変わらずファンサービスが山のようにあふれる本作シリーズ。タイトルに反して東京は序盤しか出てこないけれど、そんなのどうでもいいくらいに賑やかな娯楽作として仕上がっていた。キャラ達の絡みをたっぷりに、ざっくりとしていてわかりやすい展開、そしてBGMやセリフで原作要素をふんだんに絡めてくれる。キャラものとして楽しい映画だった。

単独公演『弁論』 こたけ正義感

弁護士ネタでの絡みやYouTubeでしか知らなかったのでピンの面白さに感動した。そしてその持ち味通り責任を持ちながら事件を自分の領域に引き寄せていく話のうまさに圧巻。

ちょうど最近は冤罪事件のドキュメンタリー映画などをチェックしていたので、自分の中でもタイムリーな内容で驚いた。

こういった伝えるべきものへの熱量と、芸人としての笑いへ舵取りへの責任の持ち方がとてもかっこよく見えた。

書籍『若い読者のための美術史』 著:シャーロット・マリンズ

教科書的な展開ではなく、物語として美術史をなぞっていくようなタッチで読みやすい一冊だった。このシリーズ通して言える事だが、パートも細かく分かれている事と図版の充実っぷりがとても親切。その上で他にも多くある美術史の書籍よりもフォーカスの当て方が現代らしいのもよかった。ざっくりとした流れを学ぶ内容だが、黒人やセクシャルマイノリティ、女性の作家が各時代でどう存在していかは確かに記しておこうという意思を感じた。

あまりにもタイトルが入門書で手に取るのがすこし恥ずかしかったりするけれど、こういう本も読みやすいのが電子書籍のいいところだなとも思った。

このシリーズ、どれも読みやすい上にちゃんとそこから派生して読みたい本がでてくるから好きです。

書籍『関係性の美学』 著:ニコラ・ブリオー

いわゆる絵画や彫刻ではない現代美術について、それらがどういった構造で美術として自立していて、それらの作品と社会がどういった距離を持っているのかを解きほぐしてくれる。必読書と言われるのも当然頷ける面白い本だった。よく語られる“行為”としての作品だけでは無く、わずかな遭遇や干渉が作品(もとい作家)と社会の共犯的な関係を強く手繰り寄せているのがわかる。また、テクノロジーとアートについての言及では現代に蔓延るチームラボなどの“アートごっこのアミューズメント”を強く批判しているのが予言的で感心した。

まとめ

1月は5作品だけ。

去年はひと月で20,30作品を見ていたのでびっくりするくらい減った。

かわりに外で散歩する時間が増えた。

なんて健康的なんだろうか。

体調もみるみるよくなっています。やったね。

そんな1月で特にみてよかった作品はこちら

・バード・バーダー・バーデスト(ビデオ版) 劇団:南極ゴジラ

・書籍『関係性の美学』 著:ニコラ・ブリオー

劇場まで演劇を見に行く元気はまだないんだけれども、(演劇は映画を見るよりもずっと体力を使うので)それでもこうやってビデオ版を凝ったやり方で配信してくれるのはとてもうれしい。

なによりも南極ゴジラは生配信ドラマなども過去にやっていて、生撮りでの演出のノウハウがどんどん蓄積されて行っているので、ただ劇場を撮影しただけでなく、カメラワークや編集も見ていて楽しい仕上がりにしてくれている。

そしてやっと読むことができた『関係性の美学』。

現代美術は何をもって価値や美学を成立させているのかがこれ以上なく丁寧に解きほぐされていく。
現代美術アレルギーの人にこそ読まれるべき本だった。
作家が契約や儀式として実現させることで知覚される出会いや遭遇、待ち合わせによって鑑賞者はその作品と社会(もしくは他者として)が接続されていくという話。
ゴンザレストレスへの批評が特に面白かった。

そんなこんなで外に出てもやっぱり本は持ち歩くし、歩き疲れた先の喫茶店とかですこしずつ読み進めたりするのも楽しい。
作品の消費速度こそおちたけれど、別に何かに追われているわけでもないので、このくらいのペースで全然いいなと当たり前のことを思ったりした。

また2月も観たり読んだり歩いたりします。

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