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『F1』ジョセフ・コシンスキー,『タコピーの原罪』飯野慎也,『ぼくのエリ』トーマス・アルフレッドソン…etc.-2025年8月に観た映画/アニメ/ドラマたち16作品について-

2025年9月10日

仕事もやめ、スペース運営もやめ、9月からは完全な専業主夫として生きていくことになりました。

それにともなって8月はバタバタしていたのだけれど、なんだかんだいろいろ見たり読んだりしているもんですね。

また鑑賞したものを毎月定期的にまとめていくのを再開していきたいと思います。

前回のように半年分ドサッと貯めるのは辞めたいですね。

前回の記事

余裕があったらYouTubeのほうも再開できたら楽しいかしらぼんやり考えたり。

ともかく、心身の余裕を持って生きていくことを一旦最優先する期間のつもりなので、無理ない範囲でブログも動かしていきます。

映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』01〜04 監督:白石晃士

だらっと流し見するのに丁度いい。ホラー半分シリアスギャグ半分。怪奇現象に対して暴力で立ち向かっていく痛快さと、結局解決らしい解決はしないままシリーズが続いていくので気持ちよさと不気味さが後を引いてどんどん見てしまった。

全10作ある本シリーズだが、こんかいはパート4まで。
パート4ではタイムスリップなども置き始めて、盛り上がっては行くのだけれど、ホラーとしてのゾクゾク感は一気になくなってしまった印象。また気が向いたときに続きを見たいと思う。

この監督の最新作の『近畿地方のある場所について』が上映中なので、そろぼち見に行きたいと思う。

映画『オールユーニードイズキル』 監督:ダグ・リーマン

ループを繰り返しゲームの攻略のように異形の敵の侵略を乗り越える、という見慣れた飲み込みやすい設定ながら、きちんと分かりやすく描写されていくので驚くくらい観やすい映画に仕上がっていた。

その分原作にあった骨太さが削ぎ落とされている物足りなさはあったが、別に格別つまらなくなっている訳ではないという何とも言えない感触。

小畑健の漫画化が上手かったのをどうしても思い出してしまう。なんだかなぁ。なんかこう、ディック作品の実写化を彷彿とする物足りなさだ。

ドラマ『VIVANT』 監督:福澤克雄

話がガンガン展開されていく小気味良さが常にあって一気に見てしまった。

堺雅人のナチュラルボーン聖人系の演技と、捲し立てる啖呵系の縁起を両方楽しめる贅沢設定。

終盤は種明かしパートが本当にただの種明かしでしかない退屈さがあったり、物語として着手しきれてなくないか?というもやっと感は強いけれど、ドラマとしてしっかりその道中を楽しませてもらった実感がある。

映画『F1』 監督:ジョセフ・コシンスキー

F1知識0からでもどんどん引き込まれる。

元レーサーが弱小チームを引き上げていくシナリオ自体はベタな王道モノだけれど、それに対して説得力のある演技とレースシーンの映像の強さで正面から答えてくれる爽快さがあった。

中々簡単にはチームやメンバーが成長しなかったり、事故やらでヒヤヒヤさせてくるのに、気付けば登場人物たちそれぞれに愛着が湧いていた。

結局最終的にはブラピが天才ドライバーとして無双するんだけど、そこは若手に花を持たせるとかじゃないんだとは思ったが、これはこれで信頼関係が出来ている感じもして納得できた。

アニメ『タコピーの原罪』 監督:飯野慎也

『ルックバック』のアニメ化を彷彿とさせるような丁寧な映像化で感動した。

原作漫画の演出を漏らす事なくアニメーションに昇華しながら、アニメだからこそのアレンジや加筆シーンがさりげなく盛り込まれていたのも嬉しい。声優陣の抜群の演技の良さで、そのやるせなさや無力感、フラストレーションを漫画以上に叩きつけてきた。

選択不可な現実に立ち向かえ得るのは救済ではなく対話と共存なのだという一本の軸を、SF的舞台装置を持って貫き通した怪作。

映画『エグザム』 監督:スチュアート・ヘイゼルダイン

ショートショートのようなワンアイデアのトリックを100分以上かけてだらだらやる映画。

20分くらいでサクッと『世にも奇妙な物語』に収録させるくらいがシナリオの出来としては妥当な陳腐さで、観終わった後に本編くらい長いため息が出た。物語上で何も積み上がらないし、何も展開されない。冒頭の5分とラストの5分だけを観ても問題ないと言い切れる稀有な作品。

映画『バッドジーニアス:危険な天才たち』 監督:バズ・プーンピリヤ

試験会場を舞台に繰り広げられる高校生のクライム映画と思うと何だか新鮮。

スパイアクションを観ているかのような緊張感があってハラハラしながら楽しめた。胸糞の悪い要素や作中に登場する理不尽さに対しては一切カウンターを打たないというシナリオに良くも悪くも驚かされた。

色々複雑なものが入り組んでいるはずなのに、主人公二人の明暗をパキッと分けてしまった終わらせ方は何だか寂しく思う。

映画『空白』 監督:吉田恵輔

誰もが喪失の被害者になり得るし、奪い取る加害者にもなり得る中で、取り返しが付かない物事とどう折り合いを付けていくのかをひたすらじっくりと描いていく。

それぞれの後ろめたさと怒りが積み上げられて、ストレスフルな状態が煮詰まっていくのでしんどい映画ではあったが、松坂桃李の素晴らしい演技を見れて満足。

映画『ぼくのエリ:200歳の少女』 監督:トーマス・アルフレッドソン

仄暗いダークファンタジーを映像美と繊細な演技でしっかり魅せてくる。主演の少年の抱える弱さが次第に絆されていくのが見て取れるのが何よりも見所だったと思う。

初恋、ジュブナイル、スリラーの欲張りセットを王道なシナリオながら見飽きさせない構成で仕上げているのがスゴイ。

映画『ガタカ』 監督:アンドリュー・ニコル

優生思想のディストピアを描いたSFが1997年にこのクオリティで映像化されていたのが驚き。

レトロフューチャー感溢れる美術がとても良かった。哀愁のあるシナリオながら温かいシーンやハラハラさせるシーンで揺さぶってくるのでしっかりと見入ってしまった。

SFにトムクルーズをぶつけて駄作になってしまっている作品を散々見てきた後だったのでこういうトーンのSFをもっと観たくなった。

映画『ミスターノーバディ』 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル

人生の選択肢によって分岐していくパラレルストーリーを並列して物語っていくという変わった形式のSFだが、その仕掛けの面白さの割に肝心の分岐はほぼ恋愛沙汰で、ギャルゲーの〇〇ルートを全パターン見せられているような陳腐さを少し感じてしまった。

夢オチとも妄想オチとも言えてしまう着地の仕方はあまり釈然としないまま。ただ音楽やそれぞれのシーンの絵の良さはとても印象的だった。

映画『オールドジョイ』 監督:ケリー・ライカート

旧友と再会してキャンプをするだけのロードムービー。だというのに、思い出話に花を咲かせるわけでも、互いの現在をすり合わせるわけでもなく、何となく気まずい空気をやろ過ごし続ける異質の作品。そこに流れる確かな時間や存在するだけの野山や野鳥。

作中の「悲しみは使い古された喜びだ」というセリフを噛み締めたい。

映画『同じ遺伝子の3人の他人』 監督:ティム・ワールド

生き別れた三つ子の奇跡の再会!兄弟愛!というバラエティ的ドキュメンタリーから一転、後半では何故生き別れたのか?何故三つ子のことを隠されていたのか?という点を追うほどシリアスに。もちろんドキュメンタリーなのでミステリー的に全てが解明されていくわけではないが、やるせない事実がぽろぽろと出てくる。

喜劇でも悲劇でもない、人間の業と掛け替えのない人格についての話だった。

まとめ

8月はバタついていたからか、それとも作品のチョイスの問題なのか、あまりぶち上がる作品に会えなかった印象がある。

ただ『タコピーの原罪』のアニメはよかったなぁ。

『チ。』のアニメは原作をただただ映像化しただけかのような物足りなさを感じていたので、こういったアニメーションならではの演出をたくさん見れるメディア展開は嬉しい。

ただ『チ。』は満足いかなかったものの、同じ原作者である魚豊氏の作品『ひゃくえむ。』が映画化されるので9月の楽しみにしておきたいと思う。しかも監督はあの『音楽』の人。超楽しみです。

漫画も久々に読み返そうかな。

ひゃくえむの記事です。

9月はまた小説や漫画も読んでいきたい。

それでは。

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