前回のHIKAKINは、「最近のイケイケのヨーグルトより、僕は昔ながらのヨーグルトが好きです」とまるで未来の自分のポジションを予知するかのような発言をして、我々を震わせた。
のちに多くのYouTuberとコラボなどをすることにはなるが、あくまでHIKAKINは一人でコンテンツを成立させて戦ってきたからこそ現在のポジションがある。
今でもなお100万再生をバカスカ叩き出せるのは、まさに昔ながらのヨーグルトのような安心感があってこそだろう。
それにしてもこれだけ内容が薄くても毎日投稿を続けるというモチベーションには感服する。
このめげないで活動を続けることにいかに意味があるのか見せつけられているようだ。
きっと今回の動画でもHIKAKINは一歩前進しているに違いない。
早速みていこう。
ﾂｯﾂｯﾂｯﾂ!!!
ﾃｨｰﾂﾍﾞｯﾂｸﾍﾞﾝﾂｸﾁｸﾂｸ!!
ﾋﾟｨｰﾉ♪ ﾋﾟｨｰﾉ♪
自分へのご褒美〜♪
ﾋﾟｨｰﾉ♪ ﾋﾟｨｰﾉ♪
森永からｼﾝﾊﾂﾊﾞｲﾋﾞﾀｰﾁｮｺﾚｰﾄﾋﾟﾉ〜♪ﾄｩﾙ！
今回はピノの紹介のようだ。
ボイパの動画を上げながら、日記のような感覚でコンビニの新商品を紹介し続けていたアカウントがスターを産むとは当時誰も思っていなかっただろう。
思えばこの頃はインターネット上で見る面白い動画といえばニコニコ動画にあり、フラッシュ動画やニコ動のコメントありを転載した動画ばかりがYouTubeを埋めていたような気がする。
他はミュージシャンのMVや企業のプロモーション動画とか…
なんにせよYouTube自体にコンテンツを求めに行くことはなかったように思える。
たまたまYouTubeに上がっているだけ、というような場所だった。
その土地を日本サーバーでゆっくりと耕していた一人は、このHIKAKINなのだろう。
というわけで、ちょっと前に発売してたみたいですけど、気になってて買ってみました。
あったようでなかったのかな？
ファミリーパックにはいろんな味のが入ってますよね。最近いろんなピノ食べてますよ。
マロンピノ、スイートポテトピノ、ダブル抹茶ピノ…
ピノのシリーズは結構色々と期間限定の味のものなどを食べてきてるようだ。
マロンや抹茶などは見かけたことがあるが、スイートポテト味は私は初めて聞いた。
当時はスーパーの店長を務めていたというHIKAKIN。
仕事終わりにコンビニでちょっとご褒美を買ってかえるという楽しみがこの動画の投稿になっていると思うと、とても健気で素敵じゃないか。
（カメラにピノを近づける）
普通のピノみたいですね。
では、ビターチョコレート、いかに…！
（一つ串に刺して食べようとしたところで止まる）
ちょっと待って。
最近、ビデオブログがマンネリ化している…ということで…
僕は普通には食べません…！
マンネリ化を自覚していた。
最近は以前よりボキャブラリーの貧相さが目立たなくなってきたせいで、逆に気になるところがなくなってきてしまっていた。
特にこれといって面白いことは何一つしていないが、逆に奇行に走ることもなく退屈しかけていた面も少しあった私はドキッとした。
今回は普通に食べないという。
一体何をしてくれるんだHIKAKIN。
1000℃に熱するのか…？
（串に一気に三つのピノを刺す）
あwちょっと溶けてるww
三個やったらちょっと手までかかっちゃうwwいただきまーすw
（三個一気に頬張る）
三個喰いでした。
ｼﾞｭﾙｯｼﾞｭﾙ…
ンフフ…w
おっ…w
うーん…わかりました。
想像していた通りの味ですね。
ファミリーパックに入っているビターと同じです。
しかも途中までヘラヘラしながら食べていたのに、飲み込んだ途端酔いが覚めたかのような冷静さを取り戻した。
この切り替えは不気味なくらいの落差だ。
急に真顔で渋い事言うからびっくりした。
びっくりするような味ではない。
うん。
（箱をカメラに近づける）
んー！
動画が終わった。
マンネリ化してきた動画を再び盛り上げるためにとった策がピノの三個食べとは思わなかった。
何が面白いんだ。
しかし、この動画の当時はHIKAKINはエンタメ性を突き詰めているわけではないことを忘れてはいけない。
彼はあくまで動画投稿を「Vlog」（つまりビデオブログ）と言っている。
このマンネリ化の解消というのは我々視聴者に向けてのものではなく、このコンビニ商品を食べるだけのブログ更新を退屈しないため、HIKAKIN自身が楽しむための打開策なのではないのだろうか。
そう思うと確かにピノの三個食べはちょっとテンションが上がるかもしれない。
韓国海苔とかじゃがりこを複数個一気に食べるのは気分がいい。
そういった気分の良さを積極的に取り入れて、Vlogを撮影する楽しさを保っていこうという表明ではないか。
このピノの三個食べは、たとえ企画も何もない商品レビューが続いても、自身のVlog更新を楽しんで続けていこうというHIKAKINの指針なのだ。
エンタメになる前のHIKAKINを楽しめるの今のうち。
そう思うとこの投稿たちも、とても愛おしく思えてくる。
それでは。
