前回のヒカキンは、ジュレ状のポン酢を急に直接吸うという奇行に走り、我々視聴者たちを驚かせてくれた。
そして驚いたのは彼の口から「味音痴でごめんなさいね」と言った言葉が出たところにもあった。
自覚はしていたのか。
彼は口下手で味音痴だが、毎日のようにコンビニ商品をレビューし続けていた。
向いている向いていないとか、得意不得意とかいう話ではない。
そう、そういえば最初からヒカキンはこのチャンネルを「日々の記録としてネットに残す」ということを目的として明言していた。
彼がたとえ商品をうまく説明できなくても、その日その瞬間、それを食べたりした記録が残ることが重要なのだ。
そしてそのおかげで11年も前の動画をこうやって一から見直すことができているのだ。
ありがとうヒカキン。その"日々"を残してくれて。
というわけで、ヒカキンへの感謝の気持ちを忘れずに今回も動画を見ていきたいと思う。
2011年、8月28日、日曜日。
帰宅した夜、7時22分、撮影しております…
だいぶ疲れた今日は!
ってことで、今日は自分へのご褒美。
ダッツダッツ♪
ハ〜ゲン〜♪
ダッツ!ハーゲンダッツクリスピーサンド!
New、ですね。これは。新しく出た。
グリーンティークラシック!
抹茶クラシックです。
今日のヒカキンはだいぶお仕事疲れが残っているみたいだ。
けれどもそんなかでもしっかりYouTubeの更新をやめない。これは本当にすごいことだ。
そして彼は頑張った日には、ちゃんと自分にご褒美を買ってあげたりしているようだ。
なんて微笑ましい日々だろうか。
(開封する)
さあ〜、以前バニラを紹介したしました。
究極のおいしさでしたね〜
外はさくさく、中はクリーミィマックスって感じで。
(匂いを嗅ぐ)
まあ匂いはしないですね。
(カメラに近づける)
こんな感じです。
このちいちゃさで200円代後半ですからね…
そう、以前ヒカキンはハーゲンダッツクリスピーを動画で紹介していた。
この時は詳細なレビューはしていなかったものの(というよりも今までに一度たりとも詳細なレビューなんかしたことはないが)、贅沢なご褒美としてハーゲンダッツを「アイスの王様」と称えていたのが印象的だった。
それにしても他の製品でもそうだが、ヒカキンは値段とサイズの関係性について触れることが多い。
この値段でこの量なのは納得できるかどうか、という少し貧乏くさい感覚なようにも思えるが、この庶民的な感覚こそが親しみやすさを産んでいるとも言えるだろう。
いただきます。
これ、ここがチョコになってるんですね、抹茶の。
(側面の部分をコツコツ指で叩く)(かぶりつく)
う〜ん!
抹茶抹茶!(断面を見せる)
外も抹茶、中も抹茶。
うっ!
うーーーーん…(苦しそうな声)
…(椅子の背もたれにドサりと倒れかかる)
毒を盛られた……?
一体どうしてしまったんだ。
一口食べたと思ったら苦しんで倒れ込んでしまった。
もし私がヒカキンを熱心に追う小学1年生だったら、このシーンでヒカキンの命を心配して号泣していたかもしれない。
(スッと元の体勢に戻る)
僕、抹茶アイスってだいたい食べても「ふーん」くらいだったんですけど…
うんま〜!
よかった。生きてる。
普通に意味のわからないノリをしているだけでした。
抹茶味を今回ピックアップしているが、ヒカキンは格別抹茶味に関心があるわけではなさそうだ。
抹茶好きの中には「そこまで食の好みをアイデンティティにしなくても…」とこちらが心配になるくらいの条件反射的な抹茶好きもいる。
チョコミント味が好きな人の中にも同様の心配を抱えることがある。
私はそういった「自分は猫好きなので、猫関連のグッズならばダサかろうが絶対選ぶ」といったような自分自身を属性付けして判断を放棄する人があまり得意ではないので、もしヒカキンがそういうタイプの人だったらどうしようかと一瞬焦りのようなものを感じていた。
しかしヒカキンはそういった熱狂的な抹茶ファンではないようで一安心。
あくまで抹茶に対しては普通の感情を持っているけれど、それにしてもこのアイスは美味いとハマっている様子だ。
あのこれはね、以前紹介したバニラに引けを取らない、むしろバニラより美味いかも!
(かぶりつく)
うぅーん!
とにかく抹茶が濃い!
ダメなところなし!
さすが、アイスの王様だ!
アイスクリームキィーング!
いやうまいなこれ…
動画が終了した。
途中で数秒間心停止したこと以外は特に何の捻りもない動画だった。
以前のハーゲンダッツレビューの時もそうだったけれども、もしかするとあまりに優等生な商品だと彼はレビューしづらいのではないだろうか。
特徴を尖らせる攻め方ではなく、全体的に高水準なバランスの良い美味しさは、なかなか言葉で説明するのが難しかったりする。
ハーゲンダッツのような「ただシンプルに美味しい抹茶味のアイス」となると、ヒカキンはそれを言葉で捉えることが出来ないのだろう。
彼の美味しさの基準は「甘い」「美味い」「濃い」なので、今回は「濃い」が適合した、という話である。
「ダメなところなし!」と締めに叫んでいたけれど、仮に悪いところがあったとしてもそれを取り立てて貶したりはしないという事を私たちは知っている。
それがヒカキンの良さだ。
今回は最後に締めの言葉の後に"収録が完了した直後、つい本音がこぼれ落ちたオフショット"を演出したような「いやうまいなこれ…」という小声でのつぶやきが入っていた。
ヒカキンも小手先での演出を覚え始める時期である。
あまりヒカキンは悪いことを覚えないでほしいなと祈りながら、これからを見守り続けたいと思う。
今後、あり得ないとは思うけれど、もしいつか動画撮影でヤラセとかしたりしたら大変だからね!
それでは。