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【第30回】味覚と語彙が貧相でも絶対に褒める男-ヒカキンの現存する動画全部見る-  

2023年6月15日

みそきんの転売が大流行してからしばらく経って、8月に再販が決まったようだ。

周りでみそきんを食べた人は皆口を揃えて「美味かったけれどまた買うほどではない」と言う。

転売は許されるべきではないが、正直みそきんのセカンダリー価格がどこまで上がるのかは少し興味がある。

現在確認したところ、売買が成立した中では4万円が最高額のようだ。

もし次は塩ラーメンバージョンのしおきんも同時発売とかしたらすごいことになりそうだ。
何がすごいのかはわからないけれど。

さて、前回の動画ではバヤリースの味を確認する姿が見られた。

前回の記事

のちにカップラーメンをプロデュースして、食べた人たちに「普通に美味い」と言わせてみせた彼が、かつてはバヤリースを飲んで「バヤリースの味」としか言えなかったのは驚きだ。

ここから彼の味覚と語彙の成長を見守ることが生き甲斐の一つになりそうだ。

今回も早速動画を見ていこう。

ミツカン ぽんジュレ-2011/09/01

ポン…(囁くように)

ジュレ

…?(キョロキョロ見渡す)

お前だよ

なんだこの始まり方。

いったいだれが…?みたいにキョロキョロするなよ。

今まで見てきたヒカキンの動画の中で一番面白い始まり方かもしれない。

ポン、ジュレッ…

ポン、ジュレ
ポン、ジュレ ブブブツカツ

ポン! ブツカツ ジュレ! ブツカツブツ
ポン! ブツカツ ジュレ! ブツカツブツ

ポン! ブツカツ ジュレ! ブツカツブツ(画面に商品を写す)
ポン! ブツカツ ジュレ! ブツカツブツ

トゥルルルルルルル!!!

はいミツカンから!
最近出たばっかりですよね!

今回紹介するのはミツカンのぽんジュレという商品のようだ。

おそらくポン酢がジュレ状になっているのだろうが、だからと言って使いやすくなっているとも思えないし、味に変化があるとも思えない。
プルプルとした食感がポン酢に足されるのがウリなのだろうか?

この辺りの疑問はぜひヒカキンのレビューに解いてもらいたい。

これは今話題のミツカンぽんジュレ、香りゆず!

(パッケージを読む)

サラダ、カルパッチョ、フライ、揚げ物、蒸し料理、お弁当に!

ポン酢がゼリー状になったってことですよね。
ウイダーインゼリーじゃないよ!

…そうですね…

最近でいろんなメーカーから出てますね。

僕はとりあえずまず、この最近出たばかりだから目に入ってこれを買いました。

今ではミツカンからの販売はすでに終わっており、ハウスが業務用のものを販売しているくらいしかぽんジュレなるものは見当たらなかった。

当時は色々なメーカーから出ていたようだが、どうやら本当にただのブームとして終わってしまったようだ。

今日もまたしてもトンカツを買ってきました!

なんてったって表示価格より10%オフでしたからね。

店員さんが見ている前で(値引きシールを)張ってたのね。
後ろから取って買っちゃったよね。

最近なんかビデオブログのおかげで自炊増えてるんだよな〜

先日の激辛ソースに続いてまたスーパーのお惣菜を買ってきたようだ。

嬉々として「最近自炊が増えた♪」といっているが、スーパーの惣菜に調味料をかけて食べるのは自炊ではないだろ。

でもいい。
ヒカキンが嬉しそうならそれでもいいよ。

かけてみよう!

(開封して匂いを嗅ぐ)

ああ!…ああ!
ゆず強い!

ゆずつよいぞ!

それでは!

(カメラにトンカツを近づけてぽんジュレをかける)

ファイア!
ファイア!!
ファイア!!!

(ぽんジュレを掛け声に合わせて3回絞り出す)

…こんな感じですね。

ヒカキン、派手に叫んで画面いっぱいに写したトンカツにぽんジュレをかける!かける!かける!

しかし肝心のぽんジュレはジュレ状なので、全然出てこない。

ズチュ…ブリュ…ビピュ…

びっくりするくらい迫力がない。

これはヒカキンも想定外だっただろう。
トンカツ全体にかけそうな豪快な掛け声にも関わらず、一切れにみみっちくチビチビかけるという選択をした彼にも落ち度はあるが。

(ウイダーインゼリーのように容器を握って)

飲まないようにね!

(飲む)

ヴェェエ!(えずく)

…ええ…?!

何をしているんだ??????

「ええ?!」はこっちのセリフだよ。

急に体を張るなよ。びっくりした。

飲まないでねと警告した瞬間ノータイムで直吸いするとは思わなかった。

あまりにもトンカツにぽんジュレをかける絵面が地味だったのを懸念してか、急に体を張って撮れ高を回収してきた。

これ直接吸ったらすごい味したけれど大丈夫?!

えっ?なんか昆布の味がした!

大丈夫ではないよ。直接吸うものではないんだもの。

そして開封時にあれだけ強く感じていたゆずはどこに行ってしまったのだろうか。

では、いただきま〜す

熱々ご飯もね!
(茶碗に盛った白米にトンカツを乗せる)

うーん(パクり)

うーん…(もぐもぐ)

う〜ん…(もぐもぐ)

フフッ…w

うまい!

絶対嘘だろ

言う事無さすぎてちょっと笑っちゃってるじゃんか。

どうかですね、うん。

ゆずはほのかに香っているくらいで、たいして強くないですね。

ゆずが苦手な人でも大丈夫です。

うん、ゆずは強くはないですね。
なんだろう、他の味はこれなんなんだろう。

すいません味覚音痴で…

ヒカキンは今、ゆずしか判別できないが、その肝心のゆずがほのかな存在のため、残りほとんどの味を見失ってしまっている。

数少ない味覚から、うまくぽんジュレの美味しさをレビューしてくれるのだろうか。

しかしゆずの香りが薄いという印象に対して「ゆずが苦手な人でも大丈夫です」というポジティブな肯定がパッと出てきているところにヒカキンの優しさのようなものを感じざるを得ない。
まあゆずが苦手な人は「香りゆず」と書かれている商品を選びはしないだろうとは思うが、「全然ゆず香らないじゃん!」みたいなことを言わず、むしろそれを反転して商品を褒めようというスタンスに彼の良さが詰まっている気がする。

(パッケージを確認する)
『ゆずの風味豊か』…う〜ん…?

まあそうですね…

『さっぱりしてる』!

そう!書いてあるとおり!
さっぱりしています!

自分の味覚では辿り着けないと判断したヒカキンは、パッケージの文言から納得できるものを無事に見つけてくれた。

「ゆずの風味豊か」に対しては全く納得いっていないようだが、ここでいちゃもんをつける彼ではない。

「さっぱりしている」という驚くほどなんでもないフレーズにむちゃくちゃピンと来たようだ。

書いてあるとおり!

正直なんかそんなにめっちゃ味強いわけではないですね。

ほんのり味をつけてくれる感じ。

ポン酢をかけたらぐちゃぐちゃになっちゃうけど、これはなんか乗っけて食べられる。

なんだろうね。欲張れる気分になりますね!

うーん、まとまんねえな、これwww

なんか美味しく感じる!
あの、普通のなんか、ポン酢をかけるより!

ぽんジュレでした!

動画が終了した。

直接吸った時に感じていた昆布の味は一体どこにいってしまったのだろうか。

最後は装う素振りさえ見せずに投げて終わったけれども、彼のいった「普通のポン酢をかけたらぐちゃぐちゃになっちゃう」という言葉に納得できた。

確かに今回彼が試したような揚げ物をポン酢で食べようとすると、衣が液体でグズグズになってしまうだろう。

しかしジュレ状のポン酢ならば揚げ物をさっぱり食べたい時も、衣のサクサク感をできるだけ維持したままジュレを乗っけて食べることができるのだ。

ジュレにする意味を全然見出せなかった私にとってはしっかりと「これは意外と便利な商品かもな」と思うことができた。

しかし今回ヒカキンがぽんジュレを口にしてとったリアクションはおおまかに以下の二つ。

・ヴェエエエ!(直吸いしてえずく)

・う〜ん…(ずっと首を傾げている)

これはダメだろ。

散々首を傾げた挙句、「うまい!」とデカい声を出して強行突破を試みるその図太さは、ある種の彼の強さでもあるかもしれない。

しかし、パッケージに書いてあるゆずを思ったより感じなくても「ゆずが苦手な人でも大丈夫!」という褒め言葉に変換する機転には目を見張るものがあったと言えるだろう。

明らかにヒカキンに刺さってない商品も、彼はどうにかして褒めようとする。

自身で「味音痴」というからには味覚が3種類くらいしかないことも自覚しているのだろう。
「まとまらねえなw」と笑ってしまう彼は自分の語彙が足りないもどかしさも感じしているだろう。

けれど彼はその中からどうにかして商品を褒めるという選択をもぎとっているのかもしれない。

そんなヒカキンのことを、私は素敵だと思う。

それでは。

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