週刊少年ジャンプ

『マッシュル』マッシュが強ければ他はどうでもいい狂気の展開-週刊少年ジャンプ2023年28号(6/12)について-

2023年6月13日

表紙は『ONE PIECE』

尾田先生が目の手術をするために、来週号から数週休載をすることになったようだ。

『ハンターハンター』の冨樫先生が腰をやってしまって執筆が困難だという話を聞いて、漫画家は座り仕事だから腰への負担がすごいのだろうな…と思っていたが、当然それ同様に目への負担もすごいだろう。

それにしても手術が必要なくらいのひどい乱視を抱えている状態であんなビッシリ書き込んだ漫画を週刊連載していたのかと思うとゾッとする。

無事に手術が済むことを祈り再会を楽しみにしています。

ONE PIECE

ついに五老星たちの名前が明らかになった。

今までは割と陰謀持ちの腐った上層部(エヴァのゼーレみたいな)感じの印象だったが、こうやって書かれると全員只者では無さそうな雰囲気が急に出てきた。

イム様が"最初の20人"の一人で、不老の力を得ている可能性が示されたが、そんなイム様がビビを欲しがる理由とは一体なんなのだろうか。

最近のワンピースは悪魔の実やイム様の謎、空白の100年に関する詳細が少しずつ明かされはじめ、増え続ける固有名詞もやっと舞台装置として動き始めたワクワク感がある。

天竜人や五老星界隈が不穏すぎて、海賊同士で潰しあってる場合じゃなくなってきそうだ。

アオのハコ

あらあらあら〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

おめでとうね〜〜〜〜!!!!!!!!!!

本当にここまで丁寧に丁寧に描いてくれたおかげで、このシーンまで読み続けた甲斐があったと感動しますね。

分かりきった流れではあるけれども、この感じを読者にもえげつない達成感と一緒に届けれくれるのはすごい。

少女漫画では当たり前にやっているようなことも、少年目線でここまで丁寧に描くとジャンプでもこんなにも輝くんですね。

呪術廻戦

私たちが本作を読みながらボソボソ言い合っているようなことを登場人物たちもしていて嬉しい。

前話での戦いや二人の力関係をバトル中には一切説明せずに、今回観戦者目線で一気に説明するとは思わなかったので、短冊コマ割りが続きまくってるだけなのに満足度が高くて笑ってしまった。こんな見せ方あるんだ。

しれっと登場していた結界を閉じない領域がいかにトンデモ技術であるかも改めて提示されたので、「五条とか他の高専メンバーも誰か閉じない領域を習得したりするのかしら」なんて能天気に考えられるようなものではないのだなと納得した。

として展延を感覚としては理解できたり、二人の領域展開を誰より早く察知した日車さん、本当に仲間になってよかったな…
虎杖vs日車のバトルが死滅回遊では一番好きだったので、「いつか仲間になってくれるといいな…」と思っていたが、こんなに何気なく参加するとは思わなかった。

既に登場していた閉じない領域の特性であったり、真人戦で明かされていた結界は外からは脆いという情報からこの展開が描かれるとは予想できなかったので、気持ちよく意表をつかれてしまった。

五条悟、致命傷。
パパ黒との戦闘を彷彿とさせる書き方でもあるし、流石にここで負けてしまうとは思わないけれども、一体この状況からどうやって戦っていくのか。
ずっと無茶苦茶面白くて嬉しいです。

キルアオ

これ、ラブコメバトルだったんだ。

裏稼業ものだと思っていたけれども、要は最強の男が目的のために手強い恋敵を倒しまくるっていう超テンプレートのシナリオだった。

この掲載順なのすごいな。
自分はあまりハマれそうにないなと思っているのだけれども、なろう系が流行っている現代には割とマッチしているのだろうか。

夜桜さんちの大作戦

双子かわいい、兄弟仲がいい。

この要素でページを9割使って残り1割で物語を進める。
こんな偏屈な捻りが一切排除された『化物語』みたいなペースで進んでいって大丈夫なのすごすぎる。

この作品もびっくりするくらいハマれていないので、この作品はこれが許されるくらいに読者からキャラを愛されているんだなと感心する。

SAKAMOTO DAYS

バンコク編スタート。

豹と平助のコンビが結成された。

この作品は裏稼業の人間がちゃんと「強くてかっこいい!」みたいな陳腐な要素だけじゃなく、マトモな人間じゃないことをはっきり書いていいて良いなと思う。

鵺の陰陽師

幻妖が登場して2ページで退治していて無茶苦茶笑った。

この作品もラブコメだったんだとビックリした。

この漫画が長く続くなら、それは完全に周防先輩と膳野の力だと思うので、彼らの日常(ときどき幻妖)が壊れないことを祈りたい。

最後のアオリで「ちょっとずつ前へ。」とか書かれているけれど、彼が進むべき"前"はそれで良いんだ…というのも最早面白い。

あかね噺

ひかるが無茶苦茶ライバルとしてバッチバチで魅力的だ…!

主人公のあかねが素直で直向きな性格であると同時に、あらかじめ培ってきた落語の素養があるせいで天才タイプのように見えるのに対して、ひかるのこの自尊心や嫉妬をジメッとさせずにガンガン前に出して突き進んでいく感じが対照的でかっこいいですね。

古典をやるからこそ、基礎は前提でそこからは噺家としての武器が求められる世界。
『バクマン』を読んでいた時のようなワクワク感とゾクゾク感があって最近はずっと面白い。

ウィッチウォッチ

ついにニコがモリヒトに告白計画を!

もうこのややこしいまじないの条件が来週で悪さをする気しかしないけれども、こういうギャグの布石をしつつも宮尾さんとケイゴのなんとも言えない空気を書いたりとニクいことをする。

僕とロボコ

お堂の鬼、ちょこちょこネタにされてるけれど、出るたびに笑ってしまう。

ドリトライ

ズームパンチ??!?!??!

ツェペリ家の血は、意思は、ここにも受け継がれていた…

こういった「んなことあるかい」みたいな要素や展開でも、作中では作中なりの理屈をちゃんと提示してくれる漫画は好きです。

心理的な駆け引きとかをちゃんと入れながらも、大技のところはやり過ぎなくらい派手に演出してくれるので読むのが楽しい。

太すぎる右腕とか一撃必殺を何の理由もなく主人公のタフさで耐えるとか、先週はちょっぴり引っかかっていたが、試合が乗ってくると全然気にならなくなってきたので、ここから楽しみだ。

ブラッククローバー

ラスボス無限湧き…??

なんて雑な強さなんだと笑ってしまった。

ラスボスってやっぱり作中で一番の強敵であるべきなんだけど、その強さをどう設定してバトルとして描くかってバトル漫画の大きな課題なんだなと思った。

アスタもやっと修行が終わり帰ってくるようだけれども、この雑な最強ボスをどうやって倒すのか。

一ノ瀬家の大罪

現実を見つめないおばあちゃん、部屋をコソコソ出入りする妹、睡眠薬を盛る母親。

中嶋以外、全員敵。

ミステリーっぽい不穏さが続々と現実世界でも投入されるが、流石にそろそろ何か進展して欲しい気もしてきた。

これもう手紙を入れたのが誰かとかいうレベルじゃないよ。元々家族がもうぶっ壊れちゃってるよ。
タコピーが早く「お話をすることが一番大事だっピ」と教えにきてほしい。

逃げ上手の若君

楠木かっこいいなぁ。

史実通りに尊氏に敗北して自害することになるのだと思うと良いキャラだった分、少し寂しい。

この尊氏の異様な空気感みたいな演出はいつ見ても『ネウロ』を思い出して嬉しくなる。

暗号学園のいろは

チーム戦、読んでいて楽しいな。

たゆたんのバチクソかっこいい瞬殺から、このチームワークでの勝利の流れはA組の頼もしさを感じられて嬉しい。

このゲーム自体も友達たちで真似したくなる。楽しいだろうな。
そしてさりげなく問1から問3の出題内容は単行本で明かすよ、というメッセージまで載せている。やり方が上手い。

今回の東洲斎さんの発した「尻」ワードは「川尻浩作」でしたね。

尻探し漫画としても楽しんでいます。

アンデッドアンラック

シェン!!!やっと再登場嬉しい〜〜〜!
「シェンさん!!」のコマでの右腕の存在感が強すぎてウォーハンマーかと思った。

それにしてもファンさん、風子と戦うためだけにきちんと育児をこなしていたのちょっと面白いな。

久しぶりに派手な肉弾戦が見られるもの楽しみだ。
もしこれシェンだけじゃなくてファンも仲間になるんだったら本当に風子の組織が強くなりすぎるな。

メグを見てあげる

面白かった。

タイトルが「メグを見てあげる」なのも素敵ですね。

テンマクキネマ

映画業界の事情や関係性を描いてくれるのはやっぱり読んでいてワクワクする。

主人公の映画オタク設定が今の所こういった時の説明にしか使われていないけれど、『ヒロアカ』のデクのようにオタク気質な観察/考察癖が役にたつみたいなシーンもいつか見れたりするのだろうか。

果たしてポストアクタージュの座は取れるのか。

マッシュル

まじで衝撃でした。
こんなことやって良いんだ。

時を巻き戻すってとんでもないチート能力だと思うんだけど、「どのパターンでも主人公が勝つ」っていう展開を描くのはギャグ漫画だから許される狂気の選択じゃないだろうか。

マトモにバトル漫画を描いてたら、仲間の犠牲とかかつての敵の協力とか、主人公と周りの存在らの絆の集積によって得る勝利が台無しすぎて「何話も使って戦ってたのに何?」ってキレちゃうもん。

しかもこんなに仲間が頑張ってくれていた最初の時間軸が、ラスボスにとって一番善戦だったっていうのが凶悪。
みんなの協力があったからこそ一番ラスボスを追い込んでいたことにしておいてくれよ。

こんな「魔法の使えないガキ」がラスボスを倒したのは、周りがマッシュへ信頼から一丸となって彼を再起させてくれたからじゃないのか。
この最初の時間軸が一番ラスボス勝てそうだったのか。そうですか。

まじでこの作品はマッシュが強ければ他はなんでも良いんだなとあまりの潔さに脱帽した。

私はこの漫画をバトル漫画だと勘違いしながら読んでしまう節があるのでドン引きをしているが、この作品のファンはきちんとギャグ漫画として楽しんでいると思うので、「そういうメソッドに水を刺すのが本作だぜ!」と笑ってやってほしい。

もしこの作品をバトル漫画として楽しんでいる人がいるとしたら、良い病院を紹介するので連絡をしてください。

人造人間100

100号の強化イベントが完了した。

そしてここで絢子さんの失踪。
『NARUTO』のサスケ奪還編のような盛り上がりに向かっていったら良いなと思う。

この作品、すごく好きで今後の展開を楽しみにしてるんだけど、やっぱり牢縛眼のかっこよくなさは酷いと思う。

まとめ

漫画とは別の話だが、インタビューページに紫今というミュージシャンの特集があり、見出しが目を引いた。

「聴きたいと思う音楽を他の人が作ってくれないなら自分で作ってしまおうと思った」

これ、少し前にジャンプで同様にインタビューされていたVaundyも同じようなこと言っていたなと思い出した。
確か「欲しいものは自分で作るしかなかった」みたいなニュアンスだったと思うので少し違うけれど。

こういう物言いってこの若さというか早熟の作家だから言えるカマし方だなと改めて感じる。

次週は新連載の『アスミカケル』が始まるようだ。

『ドリトライ』で格闘技ものはやっているのにそれに被せるように始めるの?!とは思うが、ジャンプは蠱毒。
『ドロンドロロン』と『アヤシモン』の妖怪ものが同時に始まり、共に消えていったあの虚しさを忘れたのかと言いたくなるが、この世(ジャンプ)の理なので仕方ないことなのかもしれない。

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