表紙は集合絵。
虎杖はお前そんなふざけてる場合なのかと思う。
合併号は「来週はないのか…」と少し寂しい気持ちになるが、今週は内容が大満足だったのでホクホクで再来週を待つことができそうだ。
また、最近は看板作品の休載ローテーションなどもあったので、数少ない休みを漫画家の皆さんはゆっくり過ごしてほしいと願う。
ONE PIECE
今まで散々予想はされていたものの、しれっと黒ひげ海賊団に入っていたクザンが、なぜ入団したのかが明かされた。
黒ひげは登場時こそかっこよかったものの、白ひげとの戦いやその後の逃げっぷりから小物感が出ていたけれど、ここにきて改めて黒ひげが持つ美学のかっこよさが再び見えてきて嬉しい。
しょうもないプライドを持たずに目的のために手段を選ばない"海賊"らしさが魅力的だ。
そしてガープとクザンの師弟対決。
ここであっけなくやられてしまうクザンではないだろうし、ここまで絶好調でブイブイ言わせているガープも流石に老体ゆえの多少の弱体化はあると思うので、なんだかんだでクザンがこの後勝つような気もする。
何より優しいガープがクザン倒し切ることができるのだろうか…?とも思ってしまう。
(孫とも弟子とも戦わないといけないガープの葛藤をみたいという気持ちもある)
そしてハートの海賊団はローとベポを残し壊滅…
キッドの敗北に続いて超新星たちが散っていく悔しさがあるけれど、ベポがランブルボールを使ってローだけでも助けようとする展開はアツかった。
ビックネーム同士の衝突の連続で豪快な展開が続くけれど、前から見たかったようなシーンが最近は多いのでワクワクして嬉しい。
呪術廻戦
五条悟、復活…!!!
復活後、深海から即刻羂索の元へ行き、もったいぶらずに術式をぶちかます。
宿儺も煽り倒して、裏梅にはワンパンKO。
余裕を見せながらも改めて決戦日を決めて勝利宣言。
圧倒的な強さを見せつつ、宿儺の肉体が伏黒に変わっているという異常事態にも動じずに対応する冷静さも頼もしい。
復活直後のムーブとして、ここまでしっかりカッコよく、かつ漫画の都合も整えて締めるとは。
次号の休載となると半月以上空くので待ち遠しいけれど、やっと味方サイドも状況を整えて最善の戦いができるのは嬉しい。
(というよりも渋谷事変から死滅回遊までずっと敵サイドのペースで無理ゲーを押し付けてきていたのが厳しすぎる)
虎杖がどういった強化を手にするのか。
伏黒救済の手とはなんなのか。
五条がやっておきたいこととはなんなのか。
羂索と宿儺の約束とはなんなのか。
完全に今年の12月24日と作中の12月24日を被せてきそうなので、最終章がどう締め括られるのかとても楽しみだ。
夏油の命日は二つもいらないっていうのが良いよね。
僕のヒーローアカデミア
オールマイト、復活…!!!
轟の痛みに寄り添う飯田。荼毘を止めるため、そして轟のためにエンジンをふかすのが無茶苦茶かっこいい。
ステインさんもしっかり飯田くんの成長を見届けてくれていてよかった。
彼、しっかりヒーローになりましたよ。
そして個性を譲渡して無個性に戻ってしまっているオールマイトが来た!!
アイアンマンさながらのパワードスーツ着用でAFOと衝突!
個性がないデクに対して「彼はヒーローたる素質がある」とOFAの譲渡を決意したオールマイト。
そんな彼があの時のデクの言葉によって、無個性でもAFOに立ち向かう意志を見せる。
デクはオールマイトによってヒーローへの道を開かれたが、オールマイトもまた、デクによって再びヒーローとして立つ意志を与えられる。
なんてアツい構図なんだ…
飯田くんの全速力だけでも大満足の感動だったのに、さらにオールマイトの再起まで見せてくれるなんて最高だ。
来週は辛い戦いになるだろうけれど、この"ヒーロー"としての意志がそれぞれに伝播し続けるのは本当にかっこいい。
次号も本当に楽しみにしています。
SAKAMOTO DAYS
そんなお腹いっぱいの3作の後に、でっかいチーズバーガーみたいな漫画がきてサイコー!
パワーとスピードと判断力でガンガン回していくバトルもひと段落つき、次は毒使いとの少し頭を使いそうな展開が控えているのも良い。
橋がぶっ壊れたり人がぶっ倒されても一切動じない本作の一般人たちが、ただのギャグとして常設してあるのがクセになってきた。
あかね噺
ここにきて改めてあかねの原点に触れる展開はアツい。
落語の面白さだけではなくて、描かれる人間模様の深みを理解するくだりがこの前にあったからこそ、習う噺も魅力的に見えて良い。
志ん太の存在の大きさが久しぶりに掘り下げられたが、今後どこかで彼が登場するのが楽しみになってきた。
キルアオ
めちゃくちゃ説明くさいスカッとジャパンをやるとは思わなかった。
絵に描いたような使い捨ての嫌なキャラを、掃いて捨てるように懲らしめる展開って漫画アプリの広告だけで十分なんだけれども、これでスカッとする読者層はいるのだろうか。
こういったネットで散々擦られているスカスカの世論みたいなことを漫画で仰々しく描かれると「この作者言いたいこととか描きたい事ないのかな」と思ってしまう。
それともこの説教くささを「主人公は中身がおじさんだから」見たいな要素にしていくのだろうか。
しかしまだまだ始まったばかりの本作。
次回からは『スパイファミリー』さながらの理由で同級生との接近を測るようだ。
一ノ瀬家の大罪
今までは事故で死んでいたけれども、故意的に(しかも身内に)殺されてしまったとなると、そりゃ翼くんも冷静ではいられないよな。
しかしそれを支える不器用なおじいちゃん。
天才学者でループにも気づいていて、状況を打破できる頼もしい存在…!
と思っていたのに、おじいちゃん、アルツハイマーでした………
他作品でぶち上がっていたのに、無茶苦茶落ち込んでしまった。
みんなもなんだかんだで記憶は微かに残っているし、ループを突き止めている記憶保持者のおじいちゃんもいるし、全てを知ってそうな颯太さんにも直球で聴けるし、駆け足で物語が進んでいくのか?と思いきや、そう簡単にはいかなさそうだ。
テンマクキネマ
やっぱり肝心の脚本、みんなが目にして超感動する!という情報以外出てこないので、読者としてはそこまで肝心の脚本を映像化することに惹かれないのが気になる。
しかしこの天幕の正体とは一体なんなのか?というところで物語を引っ張っていくようだ。
優秀な役者といい脚本は揃っているものの、予算も環境も制作のノウハウもない高校生たちで、果たして名作は撮れるのかという課題をどう乗り越えていくのはとても気になるので、天幕の謎というフックで引っ張りながら制作がどう進んでいくのは楽しみだ。
アオのハコ
なんだかんだここまで大きなすれ違いもなくやってきたのに、ここでまさかの『東京ラブストーリー』ばりのすれ違い。
しかしここで光る匡の気の利きよう。
菖蒲ちゃんが彼に惹かれていくのはずっと描かれているが、恋愛のテンポ感が早い彼女が丁寧な人付き合いをする彼を好きになっていく様子をじっくり描いているのは面白くてモゾモゾしてしまう。
メインの二人がグッと進展しながらもお預けをくらっている状態なので、菖蒲ちゃんたちの関係性が深掘りされていくのも楽しみだ。
超巡!超条先輩
一本木さん、無茶苦茶かわいい。
最近色々な読み切り作品が掲載されていたけれども、その中でも抜群に完成度が高くて驚いた。
ギャグ漫画でツッコミキャラがポジションを固定して突っ込み続けるみたいな構図があまり好みではない私としては、どのキャラも状況によってボケに回ったりツッコミに回ったりできるキャラの作り方が結構好みでした。
作者の前作の『左門くんはサモナー』は全然読んだことがなかったのだけれども、ちょっと読んでみたくなった。
上手い人ってギャグの手数を打ちながらもちゃんと物語を動かしていくからすごいなと思う。
タイムアタック見たいな寄り添い方のくだり、すげー面白かったです。
逃げ上手の若君
武士としての責任や役割とはなんたるかをわかりやすく示してくれてアツくなれた。
そして時行も主としての責任をこの戦で取ろうと動く。
武士や主君、戦が持つ意味などあまりしっかりと理解できていなかったり馴染みがない要素が物語の重要な部分を占めることがあるが、その部分をきちんと読者にも伝わるように演出して進めていく上手さに感服した。
ゲリラ食堂
ギャグの回収のテンポがよくて結構楽しく読んでいたのだけれども、少年漫画で居酒屋あるあるするんだと思ってしまった。
最後の4ページで急に物語要素をギュッと入れてきたのでびっくりした。
殺し屋ってそんなノリでいけるもん?とギャグ漫画に対して思うのはなの野暮だろうか。
最後に急に殺し屋として生きてきた虚しさみたいなものを出してきたから余計にそこが気になってしまったのかもしれない。
対象のキャラデザが可愛かったですね。
ウィッチウォッチ
文字の多い回でもテンポよく読めるのはこの作者のすごいところだと思う。
同様に文字の多いギャグをやっていた『銀魂』とかはひたすらセリフの掛け合いでウケて、たまにフリップのように挿絵を入れ込むみたいなバランスが多かった(それはそれで面白かった)けれど、本作はセリフの掛け合いだけじゃなくて絵で見せていくギャグとかもバランスよく入れていくのが強みなのかもしれない。
アンデッドアンラック
バチギレ風子、しっかり怖くて笑ってしまった。
ただの小物だったショーンが頼れる仲間を手にして少しずつ成長していくのがかっこいい。
こういうウソップ的なポジションって好きになってしまうよね。
それに味方の成長を描かれると、同時に皆に信頼されるボスとして風子が育っていることも感じられて嬉しくなる。
ステーションへの侵入作戦の成功で盛り上がるのも束の間、フィル登場シーンでの異様さでグッと緊張感が出てくるのも、作者の漫画のうまさを感じて良かった。
夜桜さんちの大作戦
キャラギャグをぶん回しながらいつも通り進んだ回だったが、次週は凶一郎と太陽の修行成果を見せてくれる感じだろうか。
修行のために5年使うって結構悠長だとは思うけれど、それぞれのキャラクターがどう成長しているのかは少し楽しみだ。
本作のことだからきっと再登場するたびにまたキャラギャグをぶん回して「とほほ、変わってないね」というくだりをいちいちやるのだろうけれど、これはインド映画なので仕方ない。
マッシュル
スロー魔法の説明のためだけに殺されたモブは一体なんだったんだ。
最終バトルのようだけど、きっと遅くされるなら速く、敵が速いならこっちも速く、止められるならパワーで耐えて、全力でぶん殴って敵を倒す!というのをやるんだろうな。
僕とロボコ
いつものギャグをやりながらのほっこりオチかと思って読んでいたら、すげーシュールなオチで終わって笑ってしまった。
そうなんだ。ちょっと大きくなるんだ。
ブラッククローバー
こういうワンマンプレーの狂戦士みたいなやつが、味方からの絶対的信頼のもと全力サポートされて大技を打ち込むみたいな流れ、ベタだけどアツくていいですよね。
最終章以前の話を読んでいなくてもこのバトルはカッコよくてノっていけました。
まあここまで掲載順が落ちるのも仕方ないよな、と思いながら置いてきぼり状態で読んでいた本作だけど、今週の話でやっとマトモに楽しめた気がする。
暗号学園のいろは
周りと接してきた主人公だからこそ解読ができたトリックで捲るの良かったですね。
このキャラの多さを一気に暗号バトルに絡ませてきたのは、このバトルの流れを書くためだったのか。
匿名の顔が思っていたのと全然違ったのでビビったが、主人公のかっこよさでそんなんどうでもよくなった。
頼もしくなってきたぜ、いろはくん。
物語が盛り上がってきたけれども、こんなに手の込んだ作品がこの掲載順にいるとはびっくりする。
『マッシュル』の50倍は手が込んでるハズだろ、この作品。
人造人間100
新たな戦い方を手に入れても、歪んだ境遇と動機から自身の課題に向き合えずに沈んでいくあしび。
主人公が未熟さ故の危うい決意を固める流れが、序盤の展開としてすごく好きだ。
主人公の行動原理とそれを物語に絡ませるやり方がすごく丁寧なので、この作品がこんな掲載順に置かれるなんてマジかと疑ってしまう。
そしてついに博士の右腕No.1の登場。
キャラデザもいいし、ここから本格的に火花を使ったバトルを展開しながらダークファンタジーを全うしていくのがとても楽しみだ。
絵柄であったり、バトルの絵の地味さは気になる作品だが、上記のような魅力はたくさんある本作。
打ち切りの波からも逃れたタイミングなので、ここからもしっかりと応援し続けたいと思う。
まとめ
今週は看板作品の3作が多いにぶち上げてくれた。
見たかったものをどれも期待以上の形で見せつけてくれたような感覚だ。
先週号から続いて『一ノ瀬家』や『暗号学園』『逃げ上手』などもグッと物語を盛り上げてきた。
抜群に満足感の強い週だ。
今の所新連載の2作はあまり刺さっていないのだけれども、ここからの展開がどうなるのか気にしながら追っていきたい。
『人造人間100』は漫画の技術的なパワーは他作品には見劣りするものの、それ以上に描こうとしている設定やプロットと向き合っていることが伝わる描写の丁寧さがあると思っているので、打ち切られずにまだまだ続くことを祈る。
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