週刊少年ジャンプ

ジャンプに久しい真っ直ぐなスポ根『ドリトライ』連載開始-週刊少年ジャンプ2023年23号(5/8)について-

2023年5月9日

表紙は新連載の『ドリトライ』

以前ボクシング漫画で読み切りを描いていた作家が、舞台を戦後にして連載へと登ってきたようだ。

前号は合併号だったので、どの作品も盛り上がっている中一週間のお預けを喰らっていた状態なので読むのが楽しみ。

『呪術廻戦』が休載なのがもどかしいが、あんな引っ張り方をしているので、じっくりと最終章の準備をしてほしいと思う。めちゃくちゃ待てます。

ドリトライ

ひたすら真っ直ぐに何度でも立ち上がる主人公の拳闘漫画スタート。

戦後を舞台にしたボクシング漫画はなかなか珍しいと思うので、このシンプルな主人公像と拳闘の物語にどう時代設定が生かされていくのかが楽しみだ。

純粋にまっすぐ少年漫画をやるだけでは全然面白くないということを『ドロンドロロン』で学ばされた我々だけれど、スポ根漫画がない現在のジャンプ作品の中では、もしかすると本作は期待の作品になったりするのだろうか。

僕とロボコ

『ドリトライ』に被せてきてる…?!

しかしこの全員いい奴でギャグ漫画を成立させ続けているのって本当にすごいな。

ロボ子だけ汚れ役をさせられるけど、素直さ故のめんどくささみたいな感じなので陰湿さが一切ない。

批判的な意味なく"安全な漫画"って感じがする。

ONE PIECE

バギー!!!

かっこいいぜ、お前……

かつては隣にいたはずのシャンクスへの劣等感、羨望、嫉妬…
「なんだよ今更」「運でも事故でも今や肩を並べてんだ!!だったら俺が!!」
このあたりの、自分のダサさを隠さないカッコよさがあるよね…

運と勘違いで膨れ上がったように見えていたバギーだけど、こういった思い切りの良さからくるカリスマ性は本物だったのかもしれない。

昔はウソップとかがこういった"ダサさを受け入れるかっこよさ"をやってくれていたんだけど、すっかり強くなってからは彼はだたのリアクション要因になっちゃって寂しいです。

そして色々起きていて忘れかけていたけれど、次号、マリージョアで起きたことの真相が明らかに。

逃げ上手の若君

髪を切るくだり、よかったですね…

こういう現代からでは共感しづらいはずの当時の儀式的な価値を物語に説明くさくない形で入れ込んでくるのって漫画の上手さだな…と感じた。

逃げ上手っていう設定でよくここまでちゃんと少年漫画的な面白さをキープできるのすげー

テンマクキネマ

主人公の思いつきの絵コンテから天幕が脚本修正してくれるくだり、バディ感が少しづつ出てきてワクワクしますね。

ただキャラ説明的なギャグを頻繁に挟むから、文字が多い上にページがゴチャついてるなと思うところと、「雨と追加されたセリフで思いつきを名シーンに変えてしまった…!」のところとかの説得力があまりなくてこっちとしては「そうなの?」となってしまうところが気になる。

一話の時からずっと肝心の脚本に関する情報が「誰もが超感動する」くらいしかないって致命的じゃないですか…?

物語の目的になっている重要な物語なのに、読者にはその物語に興味を持つための材料がないから、それを映画化するアツさを上手く想像できない。

想像上の渚のシーンをもっと絵で見せてくるのかと思いきや、小さいコマでしか見せてこないので、ずっとセリフでやり取りしているな…という印象。

次回は役者の倉井さんもいるので、セリフだけでのやり取り感を払拭してくれたら嬉しいなと思う。

SAKAMOTO DAYS

赤尾の「自分は武器のポテンシャルを最大限に活用して戦える」という説明に説得力を持たせるような派手な戦いっぷりでテンションが上がった。

「そうはならんやろ」というトンデモ戦闘でも、大真面目にフルスピードでやられちゃうと読む側も「オッケー!Go Go Go!!!」となってしまうのは漫画の不思議だ。

マッシュル

こんな化け物みたいな体になっても魔法には杖を使うって設定残ってたんだ。

しかも時間操作魔法の説明のためにモブをぶっ殺したりしていた敵だけど、殺すのは違うんだね。

崩玉融合藍染をさらにダサくしたようなデザインで敵が覚醒。

もしこの覚醒した敵にマッシュがやられ、また味方で時間を稼ぎ、復活したマッシュが敵を倒し、敵が覚醒して…という流れを繰り返してあと5,6巻とか続いたら流石に好きになっちゃうかもな、この漫画。

キルアオ

前回この説教くさいシナリオは主人公がおじさんだからかと予想していたけれど、中学生の女の子も説教くさい自分語りを全てセリフで喋り始めて完全に降参してしまった。

 勘違い嫌われ→好感度アップイベント→助ける→信頼される

この流れのRTAを繰り返していくだけの漫画だったら俺は悲しいよ…

射撃のうまさよりも"月歩"みたいなノリで鉄塔駆け上がっている方が人間離れしすぎていないだろうか。

「殺し屋による中学先入アクション」を描きたいのか「トンデモ超人による勧善懲悪スカッとジャパン」をやりたいのかが三話で早くもわからなくなってきた気がする。

正義の殺し屋みたいな顔してるけど、殺し屋というキャラ付けをしておいて人を殺めることに対する業みたいなものを一切描かないのが少し苦手かもしれない。

僕のヒーローアカデミア

氷叢家なのではと予想されていた外典だが、やはり関係があったようだ。

そして臨死状態の荼毘に顕現する冷の個性…

『チェンソーマン』での銃の魔人(アキ)戦のようなしんどい流れになると思いきや、夫婦二人で燈矢を見てやる流れになるとは…

エンデヴァーの罪の重さと深さをここまで真剣に描き続けるのすごいな…

救う/救われる、許す/許される、奪う/与える…みたいな関係性を少年漫画的なあるある展開でなあなあにせずに、それぞれのキャラクターたちにきちんと向かい合わせて動かしているのが本当に魅力的な漫画だと思う。

アンデッドアンラック

ここでフィルの身体が持っていた秘密が判明。

不感の顕現後に改造されていったものかと思っていたけれど、すでに草薙素子のような状態になっていたとは予想外だった。

「子供がなぜ宇宙にいる」とブチギレていたニコが、フィルに対して丁寧かつ慎重に接しているのを見ると、ホントにあんたがいてよかったよ…と思う。

そして仲間のために最善の判断と行動を取れる風子が無茶苦茶主人公でカッコいい。

もうこのループ入ってから風子がずっとカッコよくて嬉しい。
前のループでは事あるごとに涙を流しながらも、アンディに諭されて戦っていた彼女が、こんなにも頼もしく…

みんな全巻読んでください。

アオのハコ

匡くん、シンプルにいい奴すぎてモテだすパターンか…?!

そして千夏と大喜の電話…

ついにきちんと告白するのだろうか?

もしここにきて「あれってどんな意味?」「ん〜私もわかんない」みたいなシャバい感じで終わらせたら、こっちは失神しちゃうんじゃないだろうか。

あかね噺

ひかるとからし、やっぱりいいキャラたちだな〜。

あかねの敵でいたいもの同士のこのつっけんどんなやり取り、二人ともライバルとして魅力的になってきてアツい。

次号はついにお父さんが一話ぶりにちゃんと登場するのか…?!

ウィッチウォッチ

あら〜〜〜〜〜〜〜!!!

もう、あら〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

いけいけいけいけ!!!!
GoGoGoGoGo!!!!!!!!!!!

一ノ瀬家の大罪

ここで翼だけ目を覚ますの…?!

流れ的には記憶喪失前の人生に絶望している人格で目を覚ましているようだけれども、こっからどうなるんだ…?!

予想外の流れに舵を切りすぎて「何が起きているのかわからんけど何だか面白い」という状態がずっと続いている。

記憶を失っていた明るい翼の人格はどこにいったの?

一体どうなるのかさっぱりわからん…けど、話がどう動いていくのか楽しみです…

夜桜さんちの大作戦

本編でも茶番って言っちゃってるのに、それでもなお19ページ丸っと茶番を続けるんだ。

作者自身のキャラへの愛が読者を追い抜いていると、こうも退屈なんだなと思う。

今週の内容、実質4ページくらいでしたね。

MaMa

まじで殺し屋って流行ってるんですか…????

最近の集英社の担当は「一旦殺し屋もの書いて来てください」とか言ってるのか?????

人造人間100

あしびの"復讐よりも自分の人生を生きるべきか?"という問いに対して、まだ達観したような倫理を手にすることができない心理をきちんと描いていてよかった。

凶悪で凶暴な人造人間たちをこれまで出していたからこそ、ラスボスになるであろう1号の無邪気さが不気味な怖さとして際立っているのもいいキャラ立てだと思う。

しかし地味な展開続きではあるので、火花を使っていかに人造人間と戦うのかという少年漫画らしい展開も楽しみにしたいと思う。

暗号学園のいろは

初めの流れで「えっ?!打ち切り?!」と身構えてしまったが、どうやら大丈夫だったようだ。

唯一の男子生徒と聞いていたいろはだが、生き延びた理由が「女の子だから」というのはどういうことなのだろうか。

僕を騙して入学させた風刺漫画かという存在も後々に展開されそうだ。

序盤にキーアイテムかのように登場した眼鏡兵器が完全に空気になっているが、今度どういった役割を持ってくるのかも気になる。
解読の手助けをしてくれるアイテムのようだったが、今のいろはにはそんなに必要じゃなさそう。

というよりも眼鏡兵器が無茶苦茶役に立ったシーンなんて今までほとんどなかったような…?

しかし他のクラスの学級兵長たちも出揃い、第2章に突入していくようだ。

西尾維新はストーリーとかじゃなくて、キャラクターとか鬱陶しい台詞回しが人気な印象があるので、やかましくなればなるほど力を発揮するだろうし、第二の『めだかボックス』になれるのかどうか楽しみに見守りたい。

まとめ

自分の好みにすごく刺さっているわけではないのだけれども、こんなに手の込んだ漫画である『暗号学園』が最下位にいることに驚きを隠せない。

『マッシュル』とか『夜桜さんち』はずっと茶番をしているのに、こんなことってないよ…

今の所新連載陣はあまり刺さっている作品がないので、次週から始まる『鵺の陰陽師』には期待したい。

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