以前電子ペーパー端末の紹介としてKindleとBOOXの紹介をした。
電子書籍は便利だけどスマホだと画面は小さすぎるし、iPadでもやっぱり画面が明る過ぎて目が疲れる。
そんな時に想像以上に役立ってくれるのが電子ペーパー端末(E-ink端末)だ。
もちろんこれは本を読む人のための端末なので、省電力のタブレットだと思ってiPadのような機能性を求めると呆気に取られるだろう。
けれども、日常的に本を読むにあたって以下の不満を持っている人にとってはこれ以上ないアイテムだろう。
- 本が増え過ぎて本棚に余裕がない
- 出先で本を読むが、いざ読み始めると持ってきた文庫本の気分じゃない時がある
- 以前読んだ本でいいと思っていた文章を見返したいが、その本が思い出せない(もしくは見つけられない)ことがある
- 寝る前に本を読むが、暗い場所だと読みづらくて煩わしい
- 横になりながら本を読もうとするが、うまく本を支えられないので断念したりする
- 持ち歩くには億劫な資料本や分厚い本を、出先でも読み進めたいことがある
本を読む人ならばどれか一つくらいは該当しそうな気がする。
電子書籍サービスはこの辺りの問題を簡単に解決してくれる。
前回紹介した端末はコンパクトさについても言及していたけれども、今回紹介するのは少し大きめの端末。
なので漫画であったり、写真などが差し込んである本を読むのにぴったりだ。
カバンに入れるので文庫本までの携帯性は求めていないので、もっと視認性が良くて他の機能も持っているものが欲しい。
そんな人にぴったりなのがBOOX Nova Airだ。
BOOXとは
BOOXとは中国メーカー Onyx Internationalが展開する電子ペーパー端末のブランドである。
電子ペーパー端末の画面表示は、バックライトで画面を照らす液晶と違い、画面に表示させた電子インク(E-ink)をフロントライトからの反射光で見せるため、非常に目に優しく、かつ省電力なことで知られる。
AmazonからもKindleも同じようなE-inkを使った端末が出ているが、Kindleと違いBOOXはAndroid OSを積んでいることが大きな特徴である。
そのためBOOXシリーズは読書に適した端末でありながらも、GooglePlayストアから好きなアプリを入れてタブレットとしても幅広い用途で楽しめるよう製品として進化を続けている。
当然のことだが、Kindle端末はKindle本を読むことしかできない。
けれどもBOOXはアンドロイドアプリならばほとんどの電子書籍サービスを利用することができる。
例えば私はKindle、楽天kobo、楽天マガジン、ジャンプ+、青空文庫、マガポケ、ゼブラックなどを入れている。
人によってはhontoやdブックス、Kinoppy、ブックパス、GooglePlayブックスなどの電子書籍サービスを使っている人も、アプリをインストールすれば問題なく使える。
他にも「小説家になろう」や「カクヨム」などの投稿サイトを見る人は、ビュアーアプリを入れるのもアリだろう。
またソフトではなくハード面でも大きな差別化がされている。
Wacom系のスタイラスペンに対応しているため、Apple Pencilのように充電する必要が一切ないのだ。
もちろん同じシステムのペンであれば純正のものでなくても使うことができる。
付属のペンが気に入らなくても、LAMYが出しているスタイラスペンや、サムスン、三菱などの企業が出しているスタイラスペンを試すことだってできる。
画面にはすでに低反射のペーパーライクシート加工がされているため、電子メモとしても活用がしやすい設計だ。
他にもBOOXのE-ink端末は、カラー表示対応のモデルも出していたり、iPadのようなキーボード付きカバーがあったり、スマートフォンデザインのコンパクトなモデルを出したりと、幅広い展開を見せている。
デジタルデトックス的なコンセプトで、セルラー通信機能を非搭載のE-inkスマホが非常に高いクオリティで開発されているのも、このブランド独自の発展だ。
そして何より従来のE-inkは白黒表示しか出来なかったが、カラー表示が可能な端末を開発し少しずつ普及させている。
ただの読書用省電力モニターとして認識されていたE-ink端末を、しっかりとタブレット機器の土俵まで引っ張り上げたのはBOOXの功績だと言えるだろう。
BOOX Nova Airの仕様
本体サイズ (画面サイズ) | 194 × 136.5 × 6.3mm (7.8インチ) |
充電端子 | USB-C |
データ容量 | 32GB |
解像度 | 1872 × 1404(300ppi) |
サイズ感はiPad mini6とほぼほぼ同じだ。
片手で持って読むのに丁度いいし、その上でパッと画面全体を一目で見ることができる。
何よりiPad miniほどの多彩な機能や液晶を搭載していないので、その分脅威の薄さと軽さを誇る。
実際に私がそうだったように、iPad miniで一度でも読書を試みた人は、きっとBOOX Nova Airを試したらその取り回しの良さに驚くだろう。
充電もUSB-C端子を使えるので、その辺りのストレスも特にない。
バッテリーは3000mAh搭載なので、タブレット機器としては少なめに感じるかもしれないが、YouTubeなどを見たりSNSを眺めたりするような端末じゃないので、E-inkの消費電力の少なさも相まってバッテリーも長く持つ。
一日3、4時間の読書であれば、5日間くらいは余裕で持つ。
それに加えて前述した通り、このモデルはスライラスペンが最初から付属している。
数万するペンを別途で購入する必要もないし、充電不要のWacomペンなので急に使いたくなった時も快適だ。
他のタブレット機器に対して性能などを必要に応じて削ぎ落とした結果、きちんとその分身軽さを手に入れているのがこの端末の良さだ。
BOOX Nova Airのケースとの連携
このケースは別途購入が必要だが、マットなシルバーカラーでそこまで安っぽくないのも良い。
(茶色いフェイクレザーのケースとかって下手するとすごく安っぽく仕上がることもあるので)
このケースはiPadのキーボードケースのように、マグネット吸着部分に接触端子があり有線接続されるので、このボタンのレスポンスがとても良い。
またこの端末はスピーカーなども搭載しているので、このボタンで音量調整をすることも可能だ。
ボタンの機能は設定でいじることができるので、画面方向を変更を割り当てることで、漫画を見開き表示で読んだりもできる。
防水機能はないため、私は風呂場にはジップロックの袋などを使って持ち込んでいるが、そういった際はこのようにパッとケースを外すことができる。
また、寝る前などに読みたい場合も、こうしてパッとケースから外して軽い状態に切り替えたりと便利だ。
スライタスペンとの連携
充電不要だけれども、Apple Pencilよろしく右側にぺたりとくっつけることが出来るので、置き場に困ったりはしない。
ベゼルの太さも読書にあたっては全く気にならないレベルに収まっている。
むしろ読書の際に指が画面に被らないほどの余裕があるので助かるくらいだ。
ノート機能は外部のアプリなどを入れずとも、初期搭載されている。
そして意外とこの純正のノートアプリがちゃんと使える。
ペンの種類や、ノートの背景(マス目や罫線など)が豊富で、スケジュール帳やカレンダーのテンプレートも入っているという親切さ。
しかも意外にもレイヤー分けなどの機能もついていて、ただの初期搭載のメモアプリかと思っているとその幅の広さに驚くくらいだ。
絵を描きたい!という人にとってはiPadでそういったアプリを使うことをお勧めするが、ちょっとしたメモであったり、ドローイングをするくらいならという程度の役割ならば十分だろう。
まとめ
この端末は、どこにでも手が届くiPad miniの多機能さには遠く及ばない端末だ。
けれども、本を読むこととメモをとるノートの役割としてBOOXとiPad miniを比べれば、私はBOOXの方が便利だと思う。
本を読むにあたっては、軽くて薄くて持ち易い。
E-inkの表示なので充電も長持して、目も疲れない。
そしてケースを使えば物理ボタンでページ送りができたりする。
メモ用のノートとして見ても、充電不要のペンの取り扱いやすさが大きい。
画面にはもともと反射防止機能もあるペーパーライクコーティングがされているため、そのまま使っても描き心地が良い。
会議や通話の際に横に起動して置きっぱなしにしておくといったような、まさにメモ帳のような使い方もし易い。
iPadではスリープ機能であったり、充電の浪費であったり、通知がきたり、横にメモとして開きっぱなしにするにはちょっと機能が重すぎるのだ。
正直ノートパソコンを持ち出す時はあまりiPadはいらなかったりする。
そういう時で、大きめの画面で本や漫画を読みたい場合、私は迷わずこの端末をカバンに突っ込んで行く。
Kindle端末よりも広い用途で使いたいけれど、iPadほどの性能はは正直持て余す。
そんなところを丁度埋めてくれるそんな端末が、BOOX Nova Airだ。