M-1グランプリ2002
4組目
テツandトモ
ネタ
トモ
「こんばんは!テツandトモで〜〜〜す!」
-会場を縦横無尽に動き回るテツ
-アコギをかき鳴らすトモ
トモ
「今日もこの曲、聴いてくださ〜い!」
-『なんでだろう』のイントロに合わせ踊り狂うテツ
トモ
「♪なんでだろう なんでだろう なんでだ なんでだろう〜♪」
「いろんな"なんでだろう"〜!!!」
トモ
「集合写真を〜みんなで撮って〜♪」
-テツ、みんなでピースをする仕草
トモ
「出来上がった写真を見ると必ずこんな奴がいる♪」
「目が半開きになってるヤツ〜♪」
-テツ、目半開きでピース
トモ
「それはなんでだ なんでだろう〜♪」
「なんでだ なんでだろ〜♪」
-テツ、踊りながらトモの前に立つ
テツ
「熊谷哲也で〜す!」
トモ
「教室のカーテンに巻き付いて遊んでいるやつなんでだろう〜♪」
テツ
(カーテンに包まるようにくるくる回る)
「なんでだろう〜♪」
トモ
「救急車の音がしたら」
テツ
「ほら、迎えにきたよ」
トモ
「っていうやつなんでだろう〜♪」
テツ
「なんでだろう〜♪」
トモ
「マークシートのテストで」
テツ
「一番、一番、一番…」
トモ
「同じ数字ばかりになると不安になってるヤツなんでだろう〜♪」
テツ
「なんでだろう〜♪」
トモ
「はんこ売り場に行くと」
-テツ、印鑑ケースを回して探す仕草
トモ
「買うつもりもないのに自分の名前探しちゃうのなんでだろう〜♪」
テツ
「『中本』売れてる」
トモ
「なんでだろう〜なんでだろう〜♪」
「修学旅行に行く時」
-テツ、舞台袖に履けて大荷物を持って出てくる
トモ
「やたらと荷物の多いやつなんでだろう〜♪」
-テツ、大荷物を持って静かにはけていく
トモ
「パックのジュースを飲んでいて〜♪」
「吹き出さないように気をつけていたら〜♪」
テツ
「ストロー全部中に入っちゃった…!」
トモ
「なんでだろう〜♪なんでだろう〜♪」
-テツ、トモの前で踊り狂う
トモ
「昆布が海の中で出汁が出ないのなんでだろう〜♪」
テツ
「なんでだろう〜♪」
トモ
「国語のテストの時」
-テツ、悩みながらキョロキョロする
トモ
「漢字を探しているヤツなんでだろう〜♪」
テツ
「なんでだろう〜♪」
トモ
「うちのお父さん〜テレビつけたまま寝ちゃって〜♪」
-テツ、肘を突いて横になって眠り始める
トモ
「お父さん、テレビ見てないならもう消しますよ」
(テレビを消す)
テツ
「(目を覚まして)見てんだよ!」
「父さんM-1グランプリ見てるの!」
トモ
「テレビ消した途端起きるのなんでだなんでだなんでだろう〜♪」
二人
「なんでだろう〜なんでだろう〜なんでだなんでだなんでだなんでだろ〜う〜♪」
-テツ、アザラシのように地面を這う
トモ
「タマちゃんが、たまにしか現れなかったの、なんでだろう」
二人
「どうもありがとうございました」
審査
会場審査員
立川 談志 | 70点 |
中田 カウス | 90点 |
島田 洋七 | 79点 |
ラサール石井 | 82点 |
大竹 まこと | 77点 |
松本 人志 | 65点 |
島田 紳助 | 76点 |
総得点
539点
振り返り
立川談志が「お前たちここに出てくるもんじゃねえよ、もういいよ」といい会場が凍りついたりしたテツ&トモ。
即座に「違うよ、お前らはわかってるよな。俺は褒めてるんだよ」とフォローしていたが、談志のこの威圧感で言われたら誰もがビビるだろ。
立川談志は晩年に爆笑問題の太田との対談で「最近の芸人だとテツandトモとラーメンズが面白い」と語ったことが有名なので、この時のセリフは嘘ではないのだろうが、それにしても二組の振れ幅がありすぎて面白い。なんでだよ。どっちか好きならどっちか嫌いだろ、その二組は。
そんなような辛辣なようで技量を認められるような発言があった通り、この時期にテツandトモはすでに大売れしているのだ。
テレビにも出まくっていて、言ってしまえばM-1にでなくとも皆ネタを見たことがある人気者だ。
だからこそ新鮮味のようなものはほとんどない状態での勝負だったが、それでもやっぱり超王道のあるあるネタは面白い。
『なんでだろう』はあるあるネタであるけれども、その型に「なんでだろう」という言葉を添えたのが強かったのかもしれない。
「こういう奴いるよね」ではなく、「(こういう奴いるけど)あいつは何?」という捌き方が意外と斬新だったりする。
それとネタの途中で急にテツが「熊谷哲也で〜す!」と自身のフルネームを名乗るところで無茶苦茶笑ってしまった。
絶対今じゃないだろ。
しかしこの漫才大会でいつも通りのスタイルで正面突破してきたのは恐ろしい。
今なお営業で老若男女にバカうけし続けているという話を聞くが、共感しやすいあるあるに、テツのどう見てもおかしい動きを出されたら誰だって気楽に笑ってしまう。
漫才大会なのに大荷物の小道具を使ってくるという暴れっぷりも彼らのスタイルの図太さなのかもしれない。