週刊少年ジャンプ

『ギンカとリューナ』が打ち切りから粘りながら設定の妙を見せる -週刊少年ジャンプ2023年15号(3/13)について-

2023年3月13日

今週の表紙は『アオのハコ』

読み始めた当初はただのラブコメかと思っていたけれど、読めば読むほど高校生活の解像度の高さに驚かされる本作。

登場人物ごとに違うテンポで丁寧に描かれる恋愛観や、部活動への直向きさなどがしっかりと描かれていて良い。

ジャンプラブコメといえばハーレム構造になりがちだけども、そういった漫画のご都合展開に甘えない展開作りに驚かされるので、これからの展開もどうなっていくのか目が離せない作品だと思う。

本誌の定期購読を始めてから、一番ハマるとは思っていなかったのにハマった漫画かもしれない。

アオのハコ

大喜のお節介っぷりに少しヒヤヒヤするけども、これによって夢佳がどんな行動に移るのか。

そしてゆっくりと距離が縮まる二人。

やっぱり「人によって恋愛の速度は違う」というセリフが物語っているように、少しずつ千夏の中でも恋心が動き出しているようだ。

気になるのは松岡先輩は意外とすんなりと負けを認めているところだ。
根っからの嫌なやつではないのかもしれない…

本気になれば手に入れられるものにも本気にならないから取り逃がす、というセリフがあるように、後々本気で千夏先輩と距離を詰めようとする松岡先輩が厄介な恋敵になったりしそうだ。

僕とロボコ

びっくりしたのが、本当に「平ロボコ」のTikTokアカウントがあることだった。

これ、公式でアニメの宣伝も兼ねてTikTokアカウントを設立した告知回だったのか。

こういうちゃっかりした器用さが異常に上手すぎないか、この漫画。

ギャグ漫画としていつも通り面白いのに、こういった告知とかコラボとか毎回器用にこなしすぎだろ。

ONE PIECE

ナミが無茶苦茶強くなってる。

だいぶ賑やかに話が進むので混乱していたけれど、ベガパンクを消しに来た裏切り者が来週わかりそうだ。

オハラ抹消レベルの作戦の遂行をする人物だから、今後も重要なポジションになりそうだが、一体誰なのだろうか。

ONE PIECEはそれほど入れ込んで読んでいるわけではないので、考察などは特にせずにのんびり読んでいるが、そのテンションだとたまに振り払われそうになるから、最近は少し気を張って読まないといけないことに気付いた。

ウィッチウォッチ

…じゃなくて『うろんミラージュ』でした。

なんなんだこれ。

劇中劇大好きの作者だが、本当にまるまる1話劇中作を描くとは。自由すぎる。

呪術廻戦

伏黒宿儺の指に小さな亀裂。

もしかすると伏黒の意識が微かに残っていることの象徴なのかもしれないが、ちょっとやそっとじゃ復活できなさそうなレベルに宿儺が復活してしまった。

死滅回遊編がどう終わるのか想像できなかったが、五条悟の復活だなんだとか言ってる場合じゃない展開がガンガン進んでいく。
先週までの流れで虎杖覚醒か?!と騒がれていたが、そんな簡単には済まなさそう。

死滅回遊の目的が果たされてしまった今、羂索がどうやって死滅回遊を終わらせるのかも気になるところだ。

せっかく乙骨が手心を持って生かした仙台の石流があっさりと殺されてしまった。

展開としては辛いが、復活した宿儺と万の戦闘が見られるのが無茶苦茶嬉しい。

いままでの流れでも宿儺が大暴れしているシーンはバトルがすごく面白かったので、万の術式含めて次号が楽しみだ。

しかし恵vs津美紀という絵面なのが辛いな…

SAKAMOTO DAYS

日常的な舞台でド派手に戦闘するシーンはやっぱりかっこいい。

劇場で戦ったり、京都の街で戦ったり、デパートで戦ったり、そういうシチュエーションでバトルしまくるアツさが作者好きなんだろうなって感じがガンガンに出ていて良いですよね。

あかね噺

魁生が脳内で完全にCV石田彰で再生される。

あかねの次の試練となる前座錬成会だが、おそらくそこで元声優の落語家の子とぶつかることになりそうだ。

見開きのページかっこよかったなー。

バトルの派手な漫画の後に読んでもシーンを見せるかっこよさが引けを取らないの、すごくかっこいい漫画だなと思う。

一ノ瀬家の大罪

2000回ループしてんの????!!!

しかも記憶保持しているポジションがおじいちゃんとか、ループものでそんなん聞いたことないぞ。

しかも偽パパに直接聞くというアクセルのベタ踏みっぷり。

掲載順が落ち気味だったから展開を少しカットしたのだろうかと不安になるくらいの振り回されっぷりだが、これもシナリオ通りの展開なのだろうか…?!

これを次週明かされたらもうやることなくなりそうだけど、『タコピー』の時同様に、物語全体を包むもっと大きな仕掛けがまだあるのだろうか…

そもそも今までも「家族一人ずつ記憶を取り戻していくんだな」と思ったらリセットされて、「ループか何かが起きているからそれを解くんだな」と思ったら今回のように大ネタバラシがあって、ガンガン予想を超えていく飛ばしっぷりだ。

次号の展開でグッと面白くなるのか、スケールが小さくおさまってしまうかが決まると思うので、ハラハラドキドキだ。

門守姉妹の日常

見開きの貫通キックかっこい〜〜〜!

アンデッドアンラック

ビリーずっとかっこいいな…

急にディスクが出てきたけれど、その辺りは来週説明されるのだろうか。

仲間が増えていってアンディがいなくてももうすでに最強部隊になりつつあるが、だからこそこのメンバーでどうやってアンディと再会するのか楽しみだ。

悪魔の契約書に不備があるので再提出してください

おとぼけ悪魔系の読み切り、この前もやっていたな。

夜桜さんちの大作戦

それぞれの修行パートがスタート。

前回の記事でも書いたけれど、キャラ愛っぷりはインド映画でのミュージカル部分なのだと納得すれば、そこまで気にならなくなった。

逃げ上手の若君

尊氏の狂気っぷりが本領を発揮するのはここからのようだ。

良くも悪くもこの辺りの日本史をほとんど覚えていないので、純粋に楽しんでしまっている。

もっと勉強しておけばよかった。

マッシュル

マッシュに託して堅物ポジションが散る。

『ヒロアカ』のサーナイトがかっこいいのと同じように、こういう合理主義の堅物が情を見せるところっていいですよね。

しかしマッシュのダウンが回復したら普通に勝てるのだろうか?
今までパワーの一択でバトルをしてきた分、ラスボス戦に対してそこまでワクワクしないのが惜しい。

どうせトンデモ不条理パワーでぶん殴って勝つんでしょ?と思ってしまうのは、今までの流れを全部ちゃんと読んでいないからだろうか。

人造人間100

100号が年下ナンバーに対して下作呼ばわりするのかっこ良すぎる。

人造人間の超回復の謎などが見えてきたが、次の戦闘でさらに「人造人間の最高傑作」と「優秀な人間を継ぎ接ぎしていった強化人造人間」のぶつかり合いが見られそうなので楽しみだ。

イチゴーキ!操縦中

学園モノレールを飛び出して吹っ切れ始めた。

先週からイキイキしてないですか…?この作品…

もしかして作者はキャラを色々出して賑やかにやるよりも「糞光便舟」とか言わせる方が得意なのか????

暗号学園のいろは

情報量の暴力がすぎて最後の犯人まで辿り着くところで「そうなんですか…?」となってしまった。

けれどこういう漫画としての絵面で迫力を出すの西尾維新は好きだよな。
たゆたんとのバトルも心理戦とかじゃなくて物量でぶん殴ってくるアプローチだったし。

クラスメイトたちの方が圧倒的に力量がある中でいろはが暗号バトルを踏ん張る展開は割と面白いのでこれからも楽しみだ。

意外と掲載順が下がってきたのは個人的には意外だったのだけど、スルメ的な漫画だと思うので気長に楽しみたいと思う。
(そういえば『めだかボックス』も人気はあったが掲載順は決して高い作品じゃなかった気がする)

大東京鬼嫁伝

一気に風呂敷を畳んでいくのかと思いきや、主人公が隻眼剣士になりそうな展開になってきた。

もしかして本当にルキア奪還編になってくれるのだろうか…?!

鬼姫の語りが完全に上位存在からのネタバラシっぽかったので終わりそうな気配を感じていたけれど、まだ少し持ち堪えそうな雰囲気だ。

ギンカとリューナ

記憶をリセットして主人公の大幅強化。

なんだか熱い展開だが、ここまでの冒険でそこまで仲間との思い出が多く築かれてきた印象がないので、次号でリューナが何の記憶を代償にしたのかが気になる。

今のリューナの強さはお母さんの記憶を引き換えに手に入れたものだったというのは面白いが、今度はギンカの記憶を失ってしまうのだろうか?

記憶を代償にすることで強い力を手に入れることができる。

この設定、強敵にぶつかるたびに記憶をぶっ飛ばしてバフをかけていくという狂った主人公の話としてこれから展開してくんだったら意外と面白いんじゃないかと思い、少しだけテンションが上がった。

以前魔術や呪文の設定が面白くて期待したように、この漫画は結構設定の面白さで惹きつけてくるのを思い出した。

魔石や杖の関係性、呪文魔法と杖の魔法、闇の魔法が持つ特性など、色々な設定が匂わせられながらも、それ以降の展開でそれほど生かされずに呆気にとられることが多い印象なのが寂しい。

どうにも話の展開が盛り上がりに欠ける気がしてしまって、ワクワクする設定を出してくれるのに惜しいような気がする。

ラスボスレベルの説明がされたマガラカ(憑依)と戦っているが、これでマガラカを倒して記憶を失ったリューナが旅を続ける…みたいなふわっと打ち切りをされたら少し寂しいな…と思う。

まとめ

今週は全体的に次号へ期待をかける回が多かった気がする。

「これはもう打ち切りされそうだな…」と思っていた『イチゴーキ!』と『ギンカ』が少し盛り上がりを見せそうな余地を見せてきたので、少し楽しみになってきた。
このヒヤヒヤする感じから巻き返していく漫画をリアルタイムで追うことができたら嬉しい。

『一ノ瀬家』が毎回こちらの予想を超えた展開の切り方をするので、毎週振り回されながら猛烈に楽しんでいるのだが、今週のアクセルの踏みっぷりはだいぶビビってしまった。
テコ入れか?!と疑うほど核心に踏み込んだので、来週で明かされる情報次第で物語の流れが一気に変わりそうだ。

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