週刊少年ジャンプ

週刊少年ジャンプ2022年51号(11/21)について

2022年11月25日

今週のジャンプの表紙は『暗号学園のいろは』

『めだかボックス』の原作担当していた西尾維新氏を原作にした新連載だ。

最近のジャンプというものの、新連載が話題になったかと思えば、休載や打ち切りが立て続き、ワンピースは一ヶ月程度の休載(珍しい)、ブラッククローバーの連載再開、そして突然のハンターハンターの帰還。とにかくバタバタとしている感覚がある。

『ルリドラゴン』は日常ものにしてはキャラクターの関係性のディティールがしっかりしていて「可愛い女の子キャラの可愛い日常です〜」といったジャンルの漫画とか一線を引いた面白さを感じていたので、休載が決まった時は少し寂しかったのを覚えている。
現在単行本の一巻は出たが休載が続いていて、作者の体調が心配でならない。

少し気にかけていた『Alien Area』は「このクールなトーンのまま内容が盛り上がってきたらすごく面白くなるんじゃないか」と思っていたが、クールなトーンのまま連載が終わってしまい、またもや寂しい思いをした。

しかし『あかね噺』は快調に人気を獲得していてホクホクしている。
落語を題材にしたジャンプ漫画が盛り上がるとなるとアニメ化やイベントの開催などが楽しみだ。

そんな時期から少し経ち、ジャンプを読むたびにソワソワしているのだが、毎週「今週の読んだ?!」と連絡を取ったり誰かと会って話したりするわけでもない。この不完全燃焼のワクワクを燻らせない為に、毎週感想まがいの独り言のような形で書いていこうと思う。

独り言と言いつつも、同じ号のジャンプを読んだ人に向けて「あれまじ面白かったね」と投げかけるていで書いてしまうと思うので、ネタバレを避けたい単行本派の人は極力見ないようにしてほしい。

『暗号学園のいろは』

新連載の作品。

暗号解読に特化した学校に入学した平凡な主人公が、天才の相棒とともに学園に眠る謎に向かうというもの。

謎解きには興味はないんだけども、こういった問題が作中でしっかり出てくると解きたくなる読者もいるのかも知れない。
漫画の展開と同時に来週の問題も楽しみ、いう流れになったら強いなぁ思う。

めだかボックスは当時ながらでチラチラ覗いていた程度なのであまりちゃんと読んでいないのだけど、球磨川の吹き出しに『』をつける演出があったことを思い出した。
今回は作中のセリフの一部が【言論弾圧】【アカウント凍結】という表示で黒塗りになり表示されなくなっている。(これは作中の演出なのかメタ的なものなのかはまだ言及されていない)

こういう漫画的な視覚に仕掛けを作るの好きなんだろうな西尾維新は。

主人公の謎解き能力がどこまでメガネに影響されているのかはまだわからないので、相棒ポジションとどういう形で協力関係を結んでいくのか楽しみだ。

SAKAMOTO DAYS

すっかり大人気作品に。

最近は休載ローテーションを回す看板作品(ワンピ、呪術、ヒロアカ)だが、だいたいどの号も看板作品の次にはサカモトデイズが載っている気がする。

最初の日常×バトルをやっていた頃は読んでいたのだけども、しばらく読んでないうちに無茶苦茶バトルがかっこいい漫画になっていた。

あまり能力能力していなくて、設定は漫画っぽいけど肉弾戦でガシガシ殴り合う戦闘が新鮮な感じがする。

このパートでのボスになるであろう四ツ村との戦闘を始める神々廻。

バトルが本格化してからは全然知らないのでそれぞれのキャラクターがどんな闘い方をする殺し屋なのかが楽しみだ。

ONE PIECE

ついにDr.ベガパンクの本体が登場。

前回からベガパンクの島に着いてからは怒涛の新情報、というよりは答え合わせのようなセリフのやり取り。

ロビンの過去の蟠りやボニーのお父さんの下りも、みっちり詰め込んだ狭いコマにこれでもかと詰め込まれていて、ちょっと駆け足な感じがするが…

だけども久しぶりに登場するルッチをみてウォーターセブン編のワクワクを思わず思い出してしまった。

昔強かったキャラがインフレ化した今でもすげー強そうな雰囲気を持ったまま再登場すると嬉しいよね。

一ノ瀬家の大罪

『タコピーの原罪』でスマッシュヒットをかました作者による新連載。

先週の第一話から面白く、今週の2話は大増25ページという腕のふるいっぷり。

「絶対そうだよね…」という皆が感じる嫌な予感を「その通りでーす!」とどストレートにやられる回だったのだけれども、コマ割りや画面構成の妙なのか、分かりきっているのにしっかりと上げて落とされくらってしまった。

それぞれの家族が抱えている過去の自分の正体がこれから明かされていくと思うのだけども、これ、翼くんはもう自分のことだけで精一杯になってしまうよね。

それぞれが過去の自分に追いつくことで結局事故以前と全く同じ家庭に戻る…みたいな展開は一回は入るかも知れないけれども、どうやって話が展開していくのかが無茶苦茶楽しみ。

ウィッチウォッチ

シリアス回が今回でひと段落。

バトルをがっつりやるのかなと思っていたら魔女と鬼の話を回想で語らせ、残りは次のシリアス回までお預けという流れで締めくくられた。

正直魔女の力やら封印やらの話が進むよりは、この乙木家のガヤガヤを見続けていたい気持ちがある。

作者の前作の『彼方のアストラ』はコンパクトな長さでギャグもやりつつしっかりSFミステリーをやっていて面白かったのだけれども、今作は『SKET DANCE』のように長くなるのだろうか。

安定して面白いのはもちろんなんだけど、たまに無茶苦茶ハマる面白い回がしっかりあるのでなんだかんだ毎週楽しみにしてしまう。

アオのハコ

合宿最終日を終え、主人公が千夏先輩に対して一歩能動的に動き出した。

先週までにあった雛ちゃんのことをしっかり振るくだりは「ジャンプ漫画史上最高にちゃんとしてる男だ…」と震えた。

学校生活の楽しさ、部活への本気さ、恋愛のもどかしさをどれも偏りすぎることなく描かれていて、「知らない間に恋愛漫画が人気になっているのか」と読み始めた時は、そのリアリティの高さに驚いたのを覚えている。

この漫画を友人に紹介した時に「ちゃんと陽キャが描いた恋愛漫画なんやな」と言われ、その残酷な鋭さに思わず笑ってしまった。

ちゃんとってなんだよ。いいだろ隠キャが描いても。

僕のヒーローアカデミア

異形系個性の暴徒たちを止めることに成功した障子くん。

むちゃくちゃかっこよかった……!!!!

彼のために怒れる口田くんも…一気に彼らのことを好きになってしまった。

ここまで大きな見せ所があまりなかった彼らがこんなにもカッコよく活躍することがあるとは思っていなかったので、正直驚いた。

そして白雲を奪還できるのか…

ヒロアカはプロヒーロー(大人)たちもしっかりかっこいい姿を見せてくれるから嬉しいよね。

主人公の強さを演出するためのかませ犬のように先人キャラが蹴散らされていくことって少年漫画だとあるあるなので、こういった頼もしさみたいなものを大人のキャラクターたちにずっと感じられるのが嬉しい。

白雲、どうか自我を取り戻してくれ。

逃げ上手の若君

『脳噛ネウロ』『暗殺教室』確実にヒットさせていく作者の歴史物作品。

ジャンプで歴史物をやるのはなかなかハードルが高いような気がするのだけども、史実に基づきながら漫画らしい解釈で盛り上げてくれるので思っていたより全然退屈しない。

私が歴史に疎いので人物を覚えるのに少し苦労するが、絵柄のパターンが少ないながらもキャラデザのおかげでなんとかついていけている。

今回みたいな「背伸び乗り」の解説のような”あくまで漫画の演出だが、いかにも理屈っぽく解説される"というシーンはどの漫画でやられても「な、なるほどー」といいお客さんになってしまう。(ジャンプじゃないがバキとかはほとんどそう)

僕とロボコ

コロコロコミックばりの平和さでギャグをやっているが、バキバキにパロディネタを詰め込んでくるので、ちょこちょこ笑ってしまって悔しい。

今回はWカップに合わせてサッカーネタ。

またサイレント給食ジャンケン回(衝撃的だったし面白かった)のような爆発力のある回があると思うので、なんだかんだちょっと楽しみにしている。

あかね噺

落語が好きなので、落語漫画が着実に人気を伸ばしていっていて嬉しい。

それぞれの落語家がどういった特色を持って落語をするのかが、能力漫画とまではいかなくてもやっぱりワクワクする。

少し前のスカッとジャパンさながらの展開を「まあそんなことやってもヘイトは買っちゃうよね」という壁として描かれるのが少しリアルで、ちょっと干され気味のあかねがどうやって技を吸収して認められていくのかが楽しみんな展開だ。

うらら師匠の落語がどう演出されるのか来週の回が楽しみだ。

アンデッドアンラック

ここ最近ずっとむちゃくちゃ面白い!!!

ルイン戦は少しパッとしない印象だったのだけど、ビリーが来てから以降ずっと興奮しっぱなしで毎週読んでいる。

ここまでの戦いをしっかりラスボス戦らしく盛り上げた上で、もう一度0から仲間を救って絶対に勝つ!という下りをこれまで丁寧にやるとは。

ループ直前までは掲載順が後ろに下がり気味だったので、私は必死にアンケートでアンデラにエールを送っていた。

そしてこのループで風子が戦えるようになった!

攻撃方法も自家製の弾丸に愛着で不幸を付与して不運を打ち込むというもの…ムッチャクチャかっこいいじゃないすか!!!

この戦い方をこの展開まであたためていた作者、すごいなぁ。

ループ直前戦と100年の孤独でメンタルが驚くほど成長したカッコいい風子がこれから無双していくのかと思うと嬉しいです…

不幸だったキャラクターたちもしっかり風子に救われていく様を見届けたい。

ギンカとリューナ

1話の段階で主人公がレベル100まで育ってストーリーが始まった作品。

基本主人公らはむちゃくちゃ強くて、それに周りの人たちが勇気をもらいながら仲間が増えていく流れ。

ギンカのための目的は少し見えたのだけど、話全体像というか、今語られているより外の話が全然浮かんでこないので、これからどうなっていくのかモヤモヤしながら読んでいる。

これから魔法の世界が広がっていくんだろうな〜と思っていたらもう11話にもなっていたので、『Alien Area』のように「あれ?終わっちゃったわ」とならないでほしいな…と対岸から祈っている感じだ。

ハンターハンター

毎度の文字の多さ。

なんとノブナガの感傷的な回想から幻影旅団の過去編に突入してびっくりした。

えらい昔に描かれていた「昔はただ欲しかった」というモノローグと一緒に描かれていたビデオテープの話がやっと回収されるようだ。

少年クロロが純真無垢なカンワイイ存在としていて「お前誰だよ」となる。人攫いの影が近づいているが、頼むからこのクロロの自我を歪ませるきっかけを作らんでやってくれ…と願ってしまう。

このいじめられっ子寄りのポジションにしたクロロが、あの旅団メンバーを率いるリーダーになるの流れが想像つかない。
多重人格説がファンの中で囁かれるクロロだが、この一人複数役で吹き替えを演じるくだりを見ると、その説を思い出さずにはいられない。
クラピカとのやり取りでも自分自身を見失っているようなセリフがあったしね。

0巻でクルタ族の里に迷い込んでいたシーラもしれっと登場していて、旅団とクラピカを繋ぐ話がまた本編で見られるのだろうか。

王位継承戦だけでも面白さと複雑さに頭を抱えていたところだったので、知っているキャラクターたちの過去編は少し安心する。

肝心なのはこの旅団の過去編が終わった時に「で、継承戦はどうなっていたんだっけ…?」と私がならないことだ。

多分なる。

大東京鬼嫁伝

始まった時は失礼ながら「ルリドラゴンの休載を埋めるために角女子枠が足された…」と頭に過ってしまった。

シャイニングのパロディでまた今週も人外少女キャラが増える。(なんか毎週女の子キャラ増えてないか?)

主人公がやばい血統なことがずっと匂わされていたけれど、ついにその設定に次週から迫っていくのだろうか。

高校生家族

なんだかんだで続いているギャグ漫画枠。

シュールな設定だなと思いながら途中から本誌で読み始めたが、同級生がお母さんの母性に惚れ込んじゃってるくだりでいつもちょっと笑ってしまう。

なんで家族がいるんだよっていうシュールさを時々つつきながらギャグをやっているんだけども、ちょこちょこ入る妙にドラマのあるパートでも「やかましいわ」と笑いを誘われてしまうので、地味に毎週しっかり読んでしまう。

マッシュル

ギャグシーンとバトルシーンの温度差がすごくある作品で、ギャグ漫画としてもハマらずバトル漫画としてもハマらなかったため、正直あまりついていけていない。

超パワー系の敵に味方がずっと苦戦をしていて、一方回復中の主人公を復活されるためのゼンマイ巻きがずっとギャグトーンで進展もなく続くのに最近は退屈してしまった…

「味方が諦めかけた最後の最後に主人公が復活してぶっ倒すんだろうな」というのをずっと待たされているような感覚が続いている。

バトルが見たい漫画あるあるなのだけど、漫画的で特に捻りもない”お約束ギャグ”みたいなものが執拗に挟まれるのって一体なんなのだろうか(ノーテンキすぎる主人公、すけべ親父、ビビりすぎの味方、寒がられるナルシスト、料理が下手すぎて皆吐く…等)

夜桜さんちの大作戦

おそらく一番面白い時期を見逃してしまったんだろうな…と思いながら本誌で途中から読んでいる。

ラスボスであろう父親を兄弟総動員で倒しにいくのだが、この洗脳された味方同士で戦って正気を取り戻させる熱さについていくには、キャラクターの背景を知っておかないとなかなか厳しいのかもしれない…

「あいつが敵になるなんて…」という絶望も、「おかえり…!」という感動も味わいきれないもどかしさがある。

人気な作品ではあると思うので、どこかで1巻から読んでみたいな…と漠然と思う。

PPPPPP

作中で表現者のポテンシャルを、天才と凡人にキッパリ線引きしてしまう描き方をする作品は結構抵抗があるのだけれども、今回のファンタがお礼を言うシーンは少しグッときた。

今週のジャンプまとめ

ヒロアカと呪術廻戦目当てで定期購読を始めたジャンプだったが、こうして見るとなんだかんだどの作品も好みかどうかはさておきしっかり読んでしまう。

今は『あかね噺』も好調だし、タコピーの作者の新作『一ノ瀬家の大罪』も面白い。恋愛漫画なんて勧められてもなかなか読まないのに、しっかり毎週どうなるか気になる『アオのハコ』など、楽しみな作品が今のジャンプは多い気がするのですごく満足しています。

逆にいまいちハマらないなーと思う漫画を読み続ける機会って全然ないので「なんでこの漫画は自分の好みじゃないのか」とかを考えつつも読み続けるのは案外楽しかったりもする。

皆さんもぜひジャンプを定期購読してみては。

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